2005 Fiscal Year Annual Research Report
陽電子消滅法と3次元アトムプローブ法の併用によるナノクラスター形成機構の解明
Project/Area Number |
15360330
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 康介 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10302209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雅幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80005975)
唐 政 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80271972)
井上 耕治 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50344718)
畠山 賢彦 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30375109)
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, グループディレクター (60229151)
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Keywords | 陽電子消滅 / 3次元アトムプローブ / ナノクラスター / 空孔-溶質複合体 |
Research Abstract |
本研究は、陽電子消滅法と3次元アトムプローブ(3DAP)法を組み合わせることによって、従来の手法では不明であった、材料中のナノクラスターの形成機構、空孔-溶質複合体の形成、その移動によるクラスター形成過程を解明することが目的である。 今年度(最終年度)は、昨年度までに明らかにされた、Fe-Cu, Al-Ag, Al-Zn2元系合金中に生成する溶質ナノクラスターの電子構造やクラスター中の溶質濃度、空孔-溶質複合体形成等の情報をもとに、より一般的にナノクラスター形成の相安定性について議論した。我々が発見した、陽電子の埋め込みナノクラスターへの量子閉じ込め(陽電子親和性捕獲)現象を利用し、陽電子消滅2次元角相関(2D-ACAR)測定によって明らかにされた、ナノクラスターのフェルミ面のトポロジーを第一原理計算と比較した。その結果、パイエルス歪みや合金のヒューム・ロザリー則と同様の考察によって、ナノクラスター中の溶質濃度を決定する法則があることが示唆された。すなわち、格子歪みの影響が小さい微小のクラスターに対しては、ブリリュアン・ゾーンでのバンドギャップ効果がなるべく有効になるように価電子数(e/a) (言い換えるとフェルミ球の半径)が決まることがわかった。 一方、従来3DAPでも検出が困難なサブナノクラスターの数密度を、陽電子消滅法を用いて定量的に評価する方法を見いだした。陽電子寿命-運動量相関測定法により陽電子のクラスターへの捕獲率を評価し、低速陽電子ビームを用いて陽電子の拡散定数の測定を行い、陽電子のクラスターの検出感度も評価し、両者を用いて数密度評価が行えることを示した。 これらの成果から、陽電子と3DAPを組み合わせた埋め込みナノクラスターの新しい解析法が確立したといえる。
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Research Products
(6 results)