2005 Fiscal Year Annual Research Report
短範囲規則←→長範囲規則相遷移過程における3次元ドメイン構造の形成と時間発展
Project/Area Number |
15360336
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松村 晶 九州大学, 工学研究院, 教授 (60150520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和弘 九州大学, 工学研究院, 助教授 (80253491)
波多 聰 九州大学, 総合理工学研究院, 助手 (60264107)
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Keywords | 規則ドメイン構造 / 電子線トモグラフィー / モンテカルロ計算 / ニッケル-モリブデン合金 / 透過電子顕微鏡法 / 国際研究者交流:ドイツ |
Research Abstract |
本研究では、合金の規則ドメインの3次元構造を解析する有効な手法の確立を進め、規則ドメイン構造の観点から規則化ならびに不規則化過程を明らかにすることを目的としている。ここでは、透過電子顕微鏡による3次元トモグラフィー技術を、結晶組織である合金のドメイン形態の解析に応用する。さらに、モンテカルロ計算で求めた原子配列から規則ドメインの種類の選別と界面(逆位相境界)を抽出するアルゴリズムを確立して理論面からの検討も進め、3次元の原子配列ならびにドメイン形態について詳細に解析する。具体的には、これらの手法をNi-Mo合金,Ni-Al-Ti合金,Fe-Ptナノ粒子に適用して、異なるバリアントからなるドメイン構造への発達とLROドメインの3次元形状に関する知見を得た。本年度に得られた主な成果を以下にまとめて述べる。 (1)fcc不規則相と規則相との2相共存状態にあるNi-Mo合金、Ni-Al-Ti合金の電子顕微鏡観察用試料を準備して、規則格子反射によって結像した暗視野像から規則ドメインの3次元構造を解析した。昨年度までに確立した暗視野によるトモグラフィー手法を応用して規則粒子の3次元の形態と分散状態を示す構築像を得ることに成功した。その結果、Ni-Mo合金のD1_a規則析出粒子は、<100>方向に頂点を持ち、その中の1つの[100]方向に長軸を有するラグビーボール状であることが判明した。一方、Ni-Al-Ti合金のL1_2規則析出粒子内部に、不規則fcc相が板状に析出している様子を解明した。さらにイオン照射によるFePtナノ粒子の特徴的な形状変化を明らかにした。 (2)Ni-19.5at%Mo合金について、D1_a単相規則状態でのドメインの3次元形状を実験的に明らかにすることに成功し、特定の結晶方位に晶壁面を有する傾向にあることが示された。 (3)(2)の実験に対応するモンテカルロ計算機実験を進め、D1_a規則ドメインが異方的な形状で発達することを明らかにすることに成功した。
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Research Products
(6 results)