2003 Fiscal Year Annual Research Report
層状化合物のナノスペースを利用した複合的吸着選択性を有する新規多孔体の創製
Project/Area Number |
15360343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木野村 暢一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (50029732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 喬 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 名誉教授
武井 貴弘 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (50324182)
熊田 伸弘 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90161702)
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Keywords | 層状遷移金属酸化物 / 剥離 / ナノシート / インターカレーション / ソフト化学特性 |
Research Abstract |
本研究課題では、本年度は主として層状酸化物の剥離、および層状水酸化物のソフト化学特性についての検討を行った。以下にそれらについて説明する。 1.層状遷移金属酸化物の剥離 層状構造を示すKFe_<0.5>Nb_<1.5>O_5およびCs_<0.7>Ti_<1.825>O_4について、HClを用いてこれらをプロトン交換体、HFe_<0.5>Nb_<1.5>O_5およびH_<0.7>Ti_<1.825>O_4とした。両試料とも、粉末XRDパターンより、層間に存在するアルカリイオンがプロトンに交換されていることが確認された。次に、プロトン交換体について、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド(TBA)を用いて剥離を試みた。今回のプロトン中間体の場合、層間のプロトンがルイス酸点として働くことによるTBAとの相互作用により、層状構造が剥離することが期待される。TBA水溶液にプロトン交換体を添加し、48時間程度撹拌したところ、撹拌後の水溶液では、レーザー光によってチンダル現象が確認できた。この結果から、無機ナノシートがコロイド状態になっていると考え、剥離ができたと考えた。 2.層状水酸化物のソフト化学特性 層状水酸化物であるハイドロキシリン酸ジルコニウム([ZrH-P]、(NH_4)_2(H_3NC_2H_4NH_3)_2[Zr_3(OH)_6(PO_4)_4])のソフト化学特性について検討した。[ZrH-P]はプロトン化処理を施すことで、層間に存在する大部分のNH_4^+およびH_3NC_2H_4NH_3^<2+>がプロトンと交換されることがわかった。プロトン化された[ZrH-P]について、アルキルモノアミンによるインターカレーション特性を調査したところ、試料の一部分のみインターカレーションされること、またエチルアミンが剥離剤として作用することがわかった。 次年度より、これらの物質の多孔質化について検討をしていく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Takei, K.Sekijima, D.Wang, N.Kumada, N.Kinomura: "Soft Chemical Properties of Layered Zirconium Hydroxy Phosphate"Solid State Ionics. (in press).