2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360346
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小俣 孝久 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80267640)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 伸也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029299)
|
Keywords | パイロクロア型酸化物 / 前駆体酸化法 / 電子伝導性 / SnNbO_<4.5> / SnTaO_<4.5> / CeSnO_4 / 蛍石関連構造 / α-PbO_2関連構造 |
Research Abstract |
計画に挙げた候補物質のうち、本年度はs^Oおよびd^O電子配置の陽イオンからなるSnNbO_<4.5>とSnTaO_<4.5>、s^Oぉよびf^O電子配置の陽イオンからなるCeSnO_4について重点的に検討を行った。いずれの物質も研究代表者らが開発してきた、パイロクロア型酸化物を前駆体とした前駆体酸化法により作製した。前駆体Sn_2Ta_2O_7を酸素中400℃で5時間酸化することにより蛍石関連構造のSnTaO_<4.5>が得られた。蛍石関連構造のSnTaO_<4.5>を酸素中700℃で5時間アニールすることにより、α-PbO_2関連構造のSnTaO_<4.5>を合成することができた。SnTaO_<4.5>は既に報告済みのSnNbO_<4.5>に比べ短時間で合成できた。CeSnO_4の前駆体であるCe_2Sn_2O_7は、SnO、SnO_2、CeO_2の混合物を白金坩堝に入れ、それを石英ガラス管に10^<-6>Torrで真空封入し、1000℃で焼成することにより作製できた。得られたCe_2Sn_2O_7を、酸素中400℃で3時間酸化し、目的のCeSnO_4を得た。それらの試料の電気伝導性を可視域から近赤外域の光吸収スペクトルにより予備的に評価した。蛍石関連構造とα-PbO_2関連構造のSnNbO_<4.5>とSnTaO_<4.5>および蛍石関連構造のCeSnO_4のいずれも、2000nm以上の長波長域で、伝導電子のプラズマ振動による吸収が観測された。これより、いずれの試料も僅かでは有るが、作製時にすでに伝導電子が注入されていることが示された。 各試料の電子構造を検討するにあたって、それらの結晶構造の詳細を調べた。SnNbO_<4.5>は結晶性が悪く、構造解析に耐えなかった。蛍石関連構造のSnTaO_<4.5>についてRietveld法による解析を試みた結果、κ-CeZrO_4と同型の構造であることが示された。
|
Research Products
(1 results)