2003 Fiscal Year Annual Research Report
熱応力及び微視破壊過程の動的評価に基づくセラミックスの熱衝撃破壊機構の解明
Project/Area Number |
15360349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
若山 修一 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (00191726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤津 隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 講師 (40231807)
小林 訓史 東京都立大学, 工学研究科, 講師 (80326016)
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Keywords | セラミックス / 熱衝撃破壊 / ディスクンロッド試験 / 熱応力 / 主き裂形成理解応力 / き裂進展経路 / 最大周方向応力 |
Research Abstract |
熱衝撃破壊は、物体内の大きな熱流束に伴い発生した温度差に起因する熱応力の下での、微視割れの生成・成長・合体など微視的素過程で構成される巨視き裂(主き裂)の生成・進展過程と考えられる。したがって「熱応力の決定」及び「微視破壊過程の解明」の2つを動的に行うことが必須である。しかしながら、熱衝撃破壊は短時間で生じるため、それらを同時に満足する実験手段は従来ほとんど見うけられない。 そこで本研究では、上述の2点を満足する熱衝撃特性評価法(ディスクオンロッド試験)の確立及びそれによる熱衝撃破壊機構の解明とともに、それらに基づいた高耐熱衝撃材料設計・構造設計技術の開発を最終目的とする。初年度である平成15年度には、以下の成果を得ている。 1.熱応力の算出に用いるFEMソフトウェアとワークステーションを新たに導入し、従来よりも高精度な熱応力解析を行えるようにシステムを改良した。 2.新たにイットリア部分安定化ジルコニアを供試材とし、予き裂を導入した試験片のディスクオンロッド試験を行い、極めて大きな偏向を示すき裂経路が得られた。さらに、試験中に記録したき裂進展履歴と温度分布を用い、き裂進展中の破壊力学パラメータを決定し、詳細に検討した結果、き裂進展方向は最大周方向応力によって決定されることが理解された。 3.SiCウィスカ強化アルミナ基複合材料のディスクオンロッド試験を行い、種々のウィスカ体積含有率の材料の熱衝撃下主き裂形成臨界応力を決定した。その結果、ウィスカ含有量が大きいほど試験片内に発生する最大熱応力が小さくなることが明らかになった。これは、ウィスカにより熱伝導率が大きくなることに起因することが示唆された。さらに、熱応力の低減と強度の向上により、ウィスカ含有率の増加に伴い主き裂形成臨界応力が大きくなることが理解された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kohei KUBOTA, Satoshi KOBAYASHI, Shuichi WAKAYAMA, Takashi AKATSU, Hiroaki TAKASHIMA: "Dynamic Characterization of Thermal Shock Fracture Behavior in Toughened Ceramics"The 5th International Meeting of Pacific Rim. 85-85 (2003)
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[Publications] 若山 修一, 和田 季也, 久保田 耕平, 小林 訓史: "セラミックス薄板における熱衝撃破壊過程の動的評価"日本機械学会M&M2003材料力学部門講演会講演論文集. 635-636 (2003)
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[Publications] 和田 季也, 小林 訓史, 若山 修一: "AINにおける熱衝撃き裂進展挙動のディスクオンロッド試験による評価"日本機械学会第11回機械材料・材料加工技術講演会講演論文集. 95-96 (2003)
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[Publications] 若山 修一, 久保田 耕平, 高島 啓彰, 赤津 隆, 小林訓史: "セラミックス系材料における熱衝撃破壊特性評価法の開発"28回複合材料シンポジウム講演要旨集. 45-46 (2003)
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[Publications] Shuichi WAKAYAMA, Satoshi KOBAYASHI, Noriyuki KIKUCHI, Yoshio SOHDA, Takayuki MATSUMOTO: "Improvement of the Burst Strength of FW-FRP Composite Pipes after Impact using Low-Modulus Amorphous Carbon Fiber"Advanced Composite Materials. Vol.11, No.3. 319-330 (2003)