2004 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルミリングによる全固体リチウム二次電池の作製と評価
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15360350
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50137238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
忠永 清治 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90244657)
林 晃敏 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10364027)
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Keywords | メカニカルミリング / ガラス / イオニクス / 全固体電池 / イオン伝導体 / 硫化物 / エネルギー / リチウム電池 |
Research Abstract |
研究実績の概要 本年度得られた成果は以下の通りである。 1.メカノケミカル法により様々な組成のLi_2S-P_2S_5系ガラスを作製し、加熱結晶化させることによりガラスセラミックスを得た。70Li_2S・30P_2S_5(モル%)組成において析出した結晶相は、固相反応で得られる生成物(Li_3PS_4+Li_4P_2S_6)やthio-LISICON結晶(Li_<4-y>Ge_<1-y>P_yS_4)とは異なる新規な結晶で、その局所構造は主にP_2S_7^<4->イオンから構成されていることがわかった。またこのガラスセラミックスは、室温で2.2x10^<-3>S/cmという極めて高い導電率を示し、活性化エネルギーは18kJ/molと低い値を示した。 2.Li_2S-P_2S_5系ガラスについて、単体であるPとSを出発原料とするメカノケミカル合成を試みた。単体から作製したガラスの局所構造はP_2S_5を用いたガラスと基本骨格において差は無いが、ホモボンド(S-Sボンド、P-Pボンド)が存在することがわかった。しかし、加熱によりガラスセラミックス化するとホモボンドは減少し、互いの構造は近くなり、導電率にも差が無くなることがわかった。 3.硫化物系固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池のレート特性の向上をめざし、様々な正極複合体の構築を検討した。活物質含量が多い正極配合比(LiCoO_2:固体電解質=60:40)の場合、導電助剤無しでの充放電も可能であったが、1mA/cm^2の高電流密度下での作動は困難であった。 4.活物質含量が少ない正極配合比(LiCoO_2:固体電解質=40:60)においては、導電助剤の添加により高電流密度下でも充放電が可能となり、助剤としては、ファイバー形状を有するVGCFが少量の添加で効率よく電子伝導パスを付与し、優れた充放電特性を示した。また、低電流密度でサイクルを繰り返すことにより、高電流密度下においても90mAh/gの高容量の保持が可能になった。
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Research Products
(13 results)