2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーAEシスシステムを用いた微細試料の信頼性評価
Project/Area Number |
15360364
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎 学 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70201960)
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Keywords | アコースティック・エミッシ / レーザー干渉計 / 微視破壊 / 微細試料 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
本研究では,極限環境でのヘルスモニタリング手法として期待されている,レーザー干渉計をプローブに用いた非接触レーザーAE法について,計測手法に関する基礎的検討および高度化を行い,さらにこの手法の材料信頼性評価手法としての有効性を検討した.レーザーAE法で得られる定量的な情報を用いて,ウェーブレット解析やAE波形順解析を行うことで,損傷位置・モードを推定できることは,絶対値計測が可能なレーザーAE法を用いることの大きな利点である.計測システムについての基礎的検討を行い,本研究で行った計測システムの高度化によって,従来に比べ大幅な検出能力向上が実現できた.ダイナミックレンジ50dB,半径約30μmの割れを検出可能,微小領域(50μm程度)でAE計測可能,薄膜でも誤差0.7mm程度でAE位置標定可能であるといった優れた特徴を有する.感度の面ではPZT素子に及ばないものの,これらの特徴を生かすことで広範な分野への応用が期待できると結論できる.材料作製プロセスに非接触AE計測を行いることにより,インプロセスでの信頼性評価を行った.セラミックス焼成時のインプロセスAE計測を行い,1500℃を超える高温でも微視割れを検出可能であることを示した.焼成条件によらずAEは冷却過程の脆性領域においてのみ検出されたことより,焼成割れの支配因子が温度低下時に発生する熱応力であることを示した.またAE波形順解析を行うことにより微視破壊モードを求め,内部で開口型き裂が進展したことを明らかにした.レーザーAE法を用いることにより,雰囲気の苛酷さからこれまで測定が不可能であったプロセス中の損傷についても,AE法を用いて定量評価が可能であることが示し,プロセス改善に大きく寄与できるものと考えられると結論できた.
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