2004 Fiscal Year Annual Research Report
炭化水素系燃料ガスを用いた低温作動固体酸化物燃料電池
Project/Area Number |
15360365
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
内田 裕之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20127434)
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / セリア / ニッケル / 内部改質 / メタン |
Research Abstract |
安定化ジルコニアなどの酸化物イオン導電性固体電解質を用いる固体酸化物燃料電池(SOFC)は、原理的に総合変換効率が最も高い。また、メタンなどの炭化水素系燃料を高度に精製することなく使用できる。しかし、現在開発中のものは約1000℃という高温運転のため、材料の劣化が避けられず材料選択も制限される。もし、800℃程度の低温作動が可能となれば、これらの問題も解決され実用化に拍車がかかる。 本研究は、炭化水素系燃料ガス用高性能アノードを開発し、低温作動SOFCの実現に貢献することを目的とする。本年度は、以下の研究成果を得た。 1.電子-イオン混合導電性サマリアドープセリア(CeO_2)_<0.8>(SmO_<1.5>)_<0.2>(SDC)微粒子の焼結多孔体上に微量のNi触媒を担持したアノードを加湿水素燃料中、800℃、0.6A/cm^2で、1100時間連続運転し、電極微細構造の変化を電子顕微鏡により高分解能観察した。試験前は半球状に高分散されていたNi微粒子触媒がかなり結晶化し、焼結していた。しかし、Ni粒子表面をSDC薄層が被覆して有効反応面積が確保されるという全く新しい作用機構を明らかにできた。 2.上記の構造のセルに加湿メタンを燃料として供給し発電特性を調べた。メタンの完全な水蒸気改質に必要なS/C(水蒸気/炭素)比は2であるが、S/C=1という低加湿条件でも放電によって生成した水蒸気を利用して改質が進行するため発電が可能であった。ただし、わずかに炭素析出が起こり、経時劣化が見られた。Ni触媒に替えてNi-Co触媒を用いても炭素析出はあまり抑制できなかった。触媒量を増加させること、あるいは触媒金属種を替えることにより、水蒸気改質の比率を向上させて炭素析出を抑制できる可能性を見出した。 3.上記の構造のセルに水蒸気を供給し、直流を通電することで、純水素を高効率に製造できることを見出した。
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Research Products
(3 results)