2003 Fiscal Year Annual Research Report
微細金属粉から高速遠心成形法で高強度・高信頼性の焼結材料を得る原理の確立
Project/Area Number |
15360389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒木 英憲 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80037853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕之 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90284158)
篠崎 賢二 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70154218)
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Keywords | 高速遠心成形 / HCP / 泥漿調製 / 高速度鋼 |
Research Abstract |
本研究は,高強度・高信頼性の複雑形状焼結部品を,無加圧の固相焼結法により製造するための,高遠心力を利用した微細金属粉末の高密度成形技術を確立することを目的としている. その手段として,微細粉末の使用により固相焼結法で完全緻密化する方法をとることとし,既にセラミックスの成形技術として実績のある高速遠心成形法(High-Speed Centrifugal Compaction Process, HCP)を各種の金属粉末に適用する技術を開発する.本殿度は,この方法を各種の金属粉末に適用するために,1)比重の高い金属粉末を泥漿とする技術,また2)重い泥漿を高遠心力で回転・成形する技術および,3)プロセス全体に渡って酸化を防ぎ,微細で緻密な焼結組織を得るためのプロセス制御技術を確立した. 1)粉末として,MIM用の微細水アトマイズ粉末を使用することで,ステンレス鋼,強靱鋼および高速度鋼それぞれ,泥漿調製と成形が可能になった. 2)泥漿は,粉末径が10μm以下であればヘプタンを分散媒とすることが出来る.また,簡単な超音波分散で容易に泥漿調製が出来ることが明らかとなった. 3)高速遠心成形専用の割型を考え,その一般的方案を明らかにした.割型の周りに水を満たすことで泥漿漏れが防げること.金型の表面が平滑なほど離形性に優れることなどを明らかにした. 4)金属系粉末を十分に固相領域で焼結するためには,平均粒径が5μm以下の微細粉末を使用する必要があることが明らかとなった.組織的には,溶製材よりも微細な組織の製品が出来たが,焼結時の脱炭現象のコントロールをしないと,組織中のカーボン量が減り,その分製品の硬さに劣ることが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Y.Suzuki et al.: "Colloidal Compaction of Fine Metallic Powders under High-Speed Centrifugal Force -Compaction and Sintering of High Speed Steel-"粉体および粉末冶金. 50. 856-864 (2003)
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[Publications] 福田真人: "高速遠心成形法による焼結高速度鋼の開発"粉体粉末冶金協会講演概要集,平成15年度春季大会. 188-188 (2003)
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[Publications] 久田晋也: "高速遠心成形法に使用する割型方案の検討"粉体粉末冶金協会講演概要集,平成15年度秋季大会. 185-185 (2003)