2004 Fiscal Year Annual Research Report
微細金属粉から高速遠心成形法で高強度・高信頼性の焼結材料を得る原理の確立
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15360389
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒木 英憲 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80037853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 賢二 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70154218)
鈴木 裕之 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90284158)
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Keywords | 高速遠心成形 / 割型 / 超硬合金 / 高エネルギ攪拌 / コリオリ対流 |
Research Abstract |
本年度は、焼結性の実験として特に超硬合金に関する研究を行った。また、焼結体中の不均質性の発生原因を調べるために、アルミナを遠心成形し、組織内部を浸液透光法で観察すると共に、成形現象の数値解析も行った。更に、前年度の研究に続けて、割型を使用した成形を行い、この知見より、新型の高速遠心機と専用特注ロータの導入し。得られた結果を以下に示す。 1.粒径が0.1ミクロンと極めて微細なWC粉末は、泥漿の攪拌方法により成形体粒子充填率と焼結性に大きな違いが出た。結果として、遊星ボールミルを使用した高エネルギーの攪拌によってのみ、粒子充填率55%程度の緻密な成形体が得られた。この成形体は1450℃で十分に緻密化し、硬さもHv2750と極めて優秀であった。 2.成形体中に生じる独特の流れ模様は、遠心場特有のコリオリ力によるものである可能性が高くなった。この模様は遠心力を落とすことで抑制できるが、低遠心力成形ではこの成形法の持つ多くの特徴を失う。そこで、模様が導入される条件をより詳しく調べたところ、型壁に塗布した離型材が巻き込まれていることが明らかとなった。離型材を使用しない成形とすれば、コリオリ力によるマークすなわち不均質性の導入が抑制できる。 3.割型を使用した成形に関しては、泥漿漏れと離型性に問題が多く、現有の金型を改良しての実験が主となった。結果、極細のOリングの利用、適切な抜き勾配の設置、および金型表面の鏡面仕上げの精度向上によって、これらの問題を解決した。この結果を基に、改めて新規購入遠心機の選定を行い、また特注ロータの設計を行い、最終的にこれらの装置を導入した。
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Research Products
(3 results)