2003 Fiscal Year Annual Research Report
電磁振動の局所印加による溶融金属処理プロセスの開発
Project/Area Number |
15360400
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩井 一彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80252261)
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Keywords | 凝固 / 微細化 / 電磁場 / 振動 |
Research Abstract |
本年度は、溶融錫-鉛合金に超伝導磁石により生成した静磁場と交流電流とを重畳印加して局所的に振動を生成させ、凝固組織微細化を図るプロセスについて研究を行った。印加磁場強度は最大7T、印加電流の大きさは最大90A、周波数は2000Hzとした。装置サイズは長さ40mm,幅25mm,深さ40mmである。まず、電極が核生成に与える効果について検討した。 すなわち、円筒形を有するタングステン電極と角形断面を有する銅電極の両者で凝固組織微細化実験を行ったところ、いずれの場合も微細化可能であったことから、電極は本プロセスの微細化効果に影響ないと判断した。 また、溶湯内に金網を入れて微細な固相の移動を防ぐ実験を行ったところ、微細な固相の発生位置は電極近傍であると推定された。一方、溶湯内電流分布の数値解析を行った。その結果、高周波電流は一方の電極から電極絶縁部に沿って溶湯表面に達した後に溶湯表面から他方の電極へ流れることがわかった。このことから、電磁振動の発生位置は溶湯表面、あるいは電極表面近傍であることが明らかとなったが、この結果は実験事実と一致する。 更に、振動印加時期についての検討を行ったところ、微細化が起こるのは凝固初期であり、固相率がある値を超えてから電磁振動を加えても微細化は起こらないことが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.TAKAGI, K.IWAI, S.ASAI: "Solidified Structure of Al Alloys by a Local Imposition of an Electromagnetic Oscillating Force"ISIJ International. Vol.43No.6. 842-848 (2003)
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[Publications] K.IWAI, T.KAMEYAMA, R.MOREAUI: "Alfven Waves excited in a Liquid Metal"Proc.of 4th International Conference on Electromagnetic Processing of Materials. (CD). (2003)
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[Publications] 岩井一彦: "電磁振動の液体金属内生成と凝固組織微細化"日本鉄鋼協会高温プロセス部会交流強磁場利用環境・材料プロセス研究会 平成15度第1回. 1-9 (2003)
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[Publications] K.IWAI, K.SUGIURA, S.KAWAI: "Structure control of Alloy by Imposing Electromagnetic Fields during Solidification"Proc.of the 1st Asian EPM Workshop. 75-78 (2004)
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[Publications] 杉浦健人, 川合悟, 岩井一彦, 浅井滋生: "共晶合金の準一方向凝固過程に及ぼす局所電磁振動印加の効果"第7回新磁気科学シンポジウム. (CD). (2003)
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[Publications] 杉浦健人, 岩井一彦: "静磁場中に置かれたSn-Pb合金の通電凝固"日本金属学会講演概要(133回・札幌). 531-531 (2003)
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[Publications] 岩井一彦, 浅井滋生: "材料プロセスへの電磁力の高度利用"日本鉄鋼協会. 187-192 (2003)