2004 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩を用いた高融点金属,高融点金属化合物の新しいコーティング・メタライジング法
Project/Area Number |
15360401
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
竹中 俊英 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60197324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 正博 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30016597)
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Keywords | チタン / コーティング / 析出 / 不均化反応 / 溶融塩 / NaCl-KCl / 鋼 / ステンレス鋼 |
Research Abstract |
代表的な高融点金属であるTiに注目し、溶融塩化物中での不均化反応による金属へのTiコーティングについて検討した.本年度は,昨年の研究成果を参考にしてNaCl-KCl等モル溶融塩にTiCl_3、またはK_2TiF_6を添加したものを用い,実用的な金属材料であるFe(炭素鋼 S45C),Ni,SUS3044板への処理について重点的に研究した. 上記の処理浴にFe,Ni板を浸漬したところ,表面に基材とTiとの合金コーティング層が形成された.Fe板では表面近くにはFeTi,その内部にFe_2Tiが形成されており,厚さ数10mmの緻密で良好な密着性を有するコーティング層となっていた.Ti炭化物層は認められなかった.Ni板では,表面近くにTi_2Ni,内部にNi_3Tiが形成されており,さらにこれら2つの中間にTi:Ni=1:1が形成されていた.コーティング層の厚さ数10mm以上で緻密で密着性も良好であった.Fe,Niへのコーティング速度は,処理温度に大きく影響されたが,処理浴中のTi化合物濃度や種類にはあまり影響されなかった.これらの結果と,コーティング厚さと処理時間の関係から,コーティング速度は形成されたコーティング層中の元素の拡散が律速していることがわかった.SUS板を処理したところ,表面に数mmではあるがTi含有率90%程度の緻密で良好な密着性を有するコーティング層が形成された.SUSの成分であるFe,Cr,Niとの合金層は認められなかった. 一連の研究により、溶融塩中でのTiイオンの不均化反応を利用することにより、実用的な金属材料であるFe,Ni,SUS表面にTi合金をコーティング可能であることが確かめられた.なお,本年度の研究成果を特許化することを検討したが,先行特許との関連から断念した.
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