2003 Fiscal Year Annual Research Report
超微粉砕・粒子複合化機構と放電プラズマの共存場による機能性粉体の低温創製
Project/Area Number |
15360403
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 牧男 大阪大学, 接合科学研究所, 客員教授 (40346135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 浩也 大阪大学, 接合科学研究所, 客員助教授 (50346136)
野城 清 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40029335)
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Keywords | 高速剪断場 / 放電プラズマ / 粉体 / 微粒子 / 摩擦作用 / 粉砕 / 複合化 |
Research Abstract |
平成15年度は、超微粉砕、複合化などの機械的作用と放電プラズマとを相乗作用させる反応装置を試作するとともに、この装置における粒子表面と気体との相互作用を解析した。以下に結果の概要を示す。 1 加圧下で摩擦的作用により微粒子同士を超微粉砕・複合化する機械的作用を基礎として、これに放電プラズマを作用させた共存場を有する新規反応装置を設計し、その試作を完了した。放電プラズマは、高速剪断場に併用して作用させる構造とした。その際に、高速剪断場に導入された粒子層を処理直後にすみやかに分散させ、その後再度、剪断場に粒子群を送り込む粒子分散供給構造も設計した。このような構造を採用することで、微粒子同士の超微粉砕・複合化作用を放電プラズマとの併用のもとに、安定かつ効果的に行うことを可能にした。 2 試作装置を用いて、現在産業界で注目されている光触媒材料をモデル例として、チタニア粒子表面と窒素との相互作用について検討した。ここでは、窒素やアンモニア雰囲気の放電プラズマを作用させる手法や、尿素粉体とチタニアナノ粒子を粉砕・複合化させながら放電プラズマを作用させる方法など、様々なドーピング方法の検討を室温下において試みた。その結果、チタニア粒子表面の窒素ドーピングが確認され、得られた粉体は良好な光触媒特性を示した。このように、本研究で提案した超微粉砕・粒子複合化機構と放電プラズマの共存場は、低温処理にもかかわらず、新しい機能を有する機能性粉体創製技術としてのポテンシャルが高いことが実験的に示された。
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