2004 Fiscal Year Annual Research Report
超微粉砕・粒子複合化機構と放電プラズマの共存場による機能性粉体の低温創製
Project/Area Number |
15360403
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 牧男 大阪大学, 接合科学研究所, 寄附研究部門教授 (40346135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野城 清 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40029335)
阿部 浩也 大阪大学, 接合科学研究所, 寄附研究部門助教授 (50346136)
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Keywords | 粒子複合化 / 放電プラズマ / 機能性粉体 / 非加熱反応 / ナノ粒子 / 超微粉砕 / 複合酸化物 / チタニア粒子 |
Research Abstract |
材料の複合化により様々の新機能材料が創製されており、素材となる粒子の高機能化がキーとなっている。そこで、本研究では、超微粉砕機構を基礎とした機械的粒子複合化技術と放電プラズマとの共存場を利用することにより、機能性粉体を低温かつ短時間で創製可能な粉体プロセス技術を開発するとともに、機能性粉体の生成メカニズムの解明を行った。具体的には、この装置を用いて粒子同士の非加熱反応による多成分系ナノ粒子の合成を試みるとともに、ナノ粒子と雰囲気ガスとの非加熱反応による表面改質も試みた。まず、粒子同士の反応においては、モデル的な機能性粉体として、ランタン・マンガン複合酸化物を取り上げ、出発原料として酸化マンガンと酸化ランタンの工業的粉体を用い、超微粉砕・複合化機構を利用して、高エネルギー場での粉体処理を行った。その結果、非加熱場の機械的処理によって、ランタン・マンガン複合酸化物のナノ粒子を合成することができた。その反応過程をTEM、XRD等により解析した結果、機械的処理に伴う酸化ランタンの水酸化物への反応、並びに中間過程で生成された水酸化物と酸化マンガンとのメカノケミカル的反応モデルにより、反応メカニズムを定性的に説明することができた。次に、酸化チタンナノ粒子表面への窒素ドープの低温創製に取り組み、アンモニアと窒素の混合ガス中でグロー放電と機械的エネルギーの同時付与実験を行った。その結果、チタニア粒子は粒成長することなく、粒子表面への窒素ドープが行われ、可視光での光触媒効果が促進された。そして、ナノ粒子の機械的処理に伴う粒子表面の活性化と放電プラズマによる窒素、アンモニア分子の活性化モデルを導入することにより、非加熱下での窒素との反応が定性的に説明できた。以上の成果より、本研究において開発されたプロセス技術は、様々な機能性粉体の創製に極めて有望であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)