2004 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導RE系酸化物の溶浸凝固法およびファセット包晶凝固シミュレーション
Project/Area Number |
15360404
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 信幸 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20108666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 桂作 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40038005)
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Keywords | solidification / crystal growth / facet / NdBCO / superconductor / superconducting oxide / 123 / 422 / Ag |
Research Abstract |
これまでのYBCO試料に加え、低酸素雰囲気での凝固によりNdによるBaサイトの置換が適性に制御できるNdBCO(NdBa_2Cu_3O_<7-x>)試料についてもAr-1%O_2雰囲気での溶浸凝固実験を行い、一方向凝固試料での形状変化(約16%収縮)に比べて溶浸凝固試料ではほとんど変化がない結果を得た。,また、溶浸凝固試料では緻密なNd422圧粉体の使用と微細化材CeO_2の0.5mass%添加により123結晶中の422粒子が均一微細に分散した。Ag添加試料では,緻密な圧粉体中のNd422粒子のブロック効果により,Ag粒子は123結晶中に微細均一に分散した。溶浸凝固法でのAg添加試料の柱状晶-等軸晶遷移条件は、通常一方向凝固法と同じ近似式:G>A・R(A=6.4×10^9K・s/m^2)で与えられ、Ag無添加試料の場合より低凝固速度側にシフトした。これはAg粒子による123結晶成長の拡散障壁効果等が原因であろう。次いで、123相の成長界面温度変化と柱状晶-等軸晶組織遷移条件の解析を行った。このためまずNd123相の成長速度R(μm/s)と過冷度ΔT(K)の関係式R=A・ΔT_r^2/η(T),(A:定数=3.5×10^<-5>,ΔTr=ΔT/Tp, TP:包晶温度,η(T):融液の粘度)を得た。また、核生成の過冷度ΔT(K)を求めるため、修正型Johnson-Mehl-Avrami式によりTTT曲線とCCT曲線を計算し、等軸晶形成の実測値により最適化した。ある冷却速度で123相が試料端部で核生成する過冷度(ΔT)として判定固相率f_s=10^<-10>,0.01の場合を想定し、このΔTを初期値に試料端から結晶が成長するとき、123相の界面位置をX_i、成長速度をR_iとするとR_iは:R_i=dX_i/dt=A・ΔT_r^2/η(T)である。この微分方程式をルンゲークッタ法で解き界面位置X_i及び界面温度T_iを時間tの関数として得た。NdBCO系での界面温度の変化を解析した結果、YBCO系の場合と同様に、柱状晶凝固する温度勾配が大きく凝固速度の小さい条件(G=29K/cm, R=0.22μm/s)では界面温度は凝固進行に伴い上昇した。等軸晶化する場合(G=21K/cm, R=0.76μm/s)は界面温度が次第に低下し界面前方で新たな123結晶の核生成が起こる。界面温度の変化がない場合が遷移条件に相当した。
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Research Products
(3 results)