2005 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導RE系酸化物の溶浸凝固法およびファセット包晶凝固シミュレーション
Project/Area Number |
15360404
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 信幸 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20108666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 桂作 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40038005)
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Keywords | crystal growth / facet / YBCO / REBCO / superconductor / superconducting oxide / 123 / 211 |
Research Abstract |
REBCO酸化物(RE=Nd,Sm等)の一方向凝固及び溶浸凝固により高特性を得るためには雰囲気制御が必要であることが知られているが、その際に過冷度を決める基本となる包晶温度Tpの測定を高温直接観察実験装置によりAr-1%O_2雰囲気で行なった。その結果と文献値より酸素分圧との関係式としてRE123系試料についてTp=a・log(P_<O2>)+bを得た。このTpから種々の過冷度を与えてRE123結晶を成長させ、直接観察実験によりその核生成・成長過程を調査した。得られた連続写真よりファセット成長速度(u)および核生成速度(Iv)について解析し、uおよびIvを過冷度(ΔT)との関係式(1)および(2)を得た。u=AgpΔTr^2/η(T)---(1)、Iv=An(1/η(T))exp(-B/ΔTr^2)---(2)、ここに、係数Agp,An,BはRE系試料別の定数であり、Tr=T/Tp、ΔT_r=ΔT/Tp、Tは界面温度(K)、η(T)は融液の粘度(Pa・s)、η(T)=Ae exp(Eg/T)、AeとEgは定数である。uおよびIvの値は過冷度に依存すると共に包晶温度Tpにも依存し、Tpが高いほど大きい傾向が認められた。また、このuとIvをから修正型Johnson-Mehl-Avrami式によりTTT曲線を作成した。以上の結果は、溶浸及び一方向凝固によりこれまで得られた柱状晶/等軸晶遷移条件の解析、及びある冷却速度で123結晶が試料端部で核生成し成長するときの界面温度変化、柱状晶凝固或いは等軸晶化する場合の界面温度変化の相違、界面前方での核生成が起こるか否かの解析などの基礎となる知見を与えるものである。次いで、123結晶成長過程についてファセット成長速度の界面方位依存性、結晶核生成などを考慮した計算機シミュレーションを行い、123相の成長と組織形成過程、特に柱状晶の優先成長や融液中で新123結晶が核生成・成長して分岐柱状晶や等軸晶化する過程を示した。さらに、TFA-MOD法によるLAO或いはCeO_2/LAO基板上でのY123薄膜の結晶形成過程についても調査し、直接観察実験により本焼時の非晶質前駆体からの融液とガスの発生を観察し、急冷実験結果も併せて123薄膜の結晶核生成・成長モデルとTTT/CHT曲線を示した。
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Research Products
(2 results)