2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマーブラシ内タンパク質多層集積構造を利用した高効率な環境計測と浄化
Project/Area Number |
15360408
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斎藤 恭一 千葉大学, 工学部, 教授 (90158915)
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Keywords | ポリマーブラシ / 放射線グラフト重合 / 多層集積 / タンパク質 / アフィニティ吸着 / 多孔性基材 / 環境計測 / 浄化 |
Research Abstract |
放射線グラフト重合法により,多孔性中空糸膜の孔内面に,エポキシ基をもつポリマーブラシを取り付けた。そのエポキシ基を荷電基に変換することによって,その静電反発によってポリマーブラシが伸長した。ポリマーブラシ間に生じた空間にタンパク質が三次元的に吸着することをわれわれは見出した。 昨年度まで,タンパク質として抗17β-エストロゲン抗体をグラフト鎖に固定し,抗原である17β-エストラジオールを特異的に濃縮する手法を確立した。17β-エストラジオール溶液を抗体固定多孔性膜に透過させることによって,抗原の抗体への拡散物質移動抵抗を無視できるように操作できるので,流量を高くするとその分,総括の吸着速度が増加することを明らかにした。 本年度は,環境計測なかでも,ウラニウムやプルトニウムで代表される放射性核種の固相抽出法を迅速化するために,上記の研究成果を活かすことにした。すなわち,多孔性中空糸膜の孔内面に取り付けたポリマーブラシにアルキルアミノ基を導入し,放射性核種を選択的に捕捉する抽出試薬を三次元的に固定した。リン酸基を酸性基としてもつ酸性抽出試薬はアルキル基も併せもつ構造であるので,そのアルキル基とグラフト鎖中のアルキル基(例えば,炭素数18のオクタデシル基)との疎水性相互作用によって安定に固定された。ここでも放射性核種の拡散物質移動抵抗を無視できる分離濃縮を実証できた。ポリマーブラシを利用した理想的な分離操作を提案できた。
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