2003 Fiscal Year Annual Research Report
外的電場を活用したコロイドナノ粒子の基板上吸着メゾ構造制御
Project/Area Number |
15360411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮原 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60200200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東谷 公 京都大学, 工学研究科, 教授 (10039133)
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Keywords | ナノ粒子 / 配位構造 / 構造形成 / 原子間力顕微鏡 / コロイドプローブAFM / 基板表面電位 / 粒子間相互作用力 / 粒子-基板間相互作用力 |
Research Abstract |
ナノ〜サブミクロンスケール粒子集団の配位構造を自在に構成できれば,従前にない高効率・高機能材料の開発が可能と予想されている。しかし,数nmから数百nmの,いわゆる「広義の」ナノ粒子によるメゾ領域構造形成のメカニズムについては情報が乏しい。粒子集団の構造形成過程には,粒子-粒子間および粒子-基板間相互作用が極めて重要な役割を果たすと考えられ,従って,これら相互作用因子や操作条件などが,形成される構造にどのように影響するかを見出し,その動力学的挙動の制御法を構築することが切望される現状にあろう。本研究では,導電性基板と静電分散粒子との吸着系に外的に電位を与えることで,基板表面電位・表面電荷密度を自在に設定し,粒子集団の構造形成速度過程と生成構造を制御し得る手法を構築することを目指す。 本年度は,電位制御実験系の構築とシミュレーション検討を行い,以下の成果を得た。 1)電位制御系の構築:微小な表面積しか有しない系で,電気化学反応も生じないような領域での電位の制御には,電荷の移動量が少なすぎて,通常の三極式ポテンショスタットの利用は困難であった。そこで簡便な系として,種々の起電力の化学電池を構成し,二極式での電位制御を行う実験系を構築した。 2)電圧印加表面のキャラクタリゼーション:二極式電位制御の欠点として,固体表面の液に対する相対電位が確定できないことが問題となるが,コロイドプローブAFMを用い,そのフィースカーブを活用するという独創的な手法で,導電性基板上の電位が制御可能であることを明らかにした。 3)ブラウン動力学手法を活用し,所定表面電位での2次元的配位構造の変化をシミュレートすることに成功した。そのメカニズム解析が今後の課題である。
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