2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 雅彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80282573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 康裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40345096)
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Keywords | 化学プロセス / 環境影響 / ライフサイクルアセスメント / 多目的関数最適化 / プロセスシミュレーション / パレート最適化 / PETリサイクル / 情報基盤 |
Research Abstract |
1.化学プロセスの環境影響の評価手法の開発 化学プロセスの環境影響は、化学プロセス自体の環境影響と、化学プロセスによって生産された物質の環境影響に分けられる。ケーススタディとして、PET樹脂製品のケミカルリサイクルを例として検討を行った。PETのケミカルリサイクルは化学プロセスで樹脂の分解が行われるが、採用する反応によって生成するモノマーが異なり、モノマーによってリサイクルシステム全体が変化するため、化学プロセスとライフサイクルの相互作用がきわめて大きいため、独立に評価できないという特徴があり、このようなプロセス評価と製品ライフサイクル評価の統合の必要性が明らかになった。 2.環境影響評価結果のプロセス設計への情報フイードバック手法開発 PETのリサイクルプロセスの例について、物質設計、材料設計からプロセス設計に至るまでのプロセスライフサイクルのアクティビティの詳細なモデル作成を行った。各アクティビティで意志決定される項目とそれに必要な情報項目を解析した。 3.経済評価や環境影響評価など複数評価意志決定あるいは多目的関数最適化の手法開発 多数考えられる環境影響評価項目、例えば地球温暖化指標や資源消費量、廃棄物量などとさらに経済的な指標を統合する手法と多数の指標を同時に考慮する手法が考えられるが、今年度は後者を検討した。パレート最適化と呼ばれる多項目の指標を表す空間上で実施可能領域を示しながら最適点を探す手法について遺伝的アルゴリズムを利用して定式化して実施し、プロセスの運転時の変動を含む新たな手法を提案した。 4.ライフサイクル情報獲得し、設計を支援するための情報基盤の概念設計 外部ソフトウェアとのインタフェースを持つ市販のプロセスシミュレータを利用して、プロセスモデルを利用する実験を実施した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Fukushima, M.shimada, S.Kraines, M.Hirao, M.Koyama: "Scenarios of solid oxide fuel cell introduction into Japanese society"J.Power Sources. (印刷中). (2004)
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[Publications] Soorathep Kheawhom, Masahiko Hirao: "Decision Support Tools for environmentally benign process design under uncertainty"Computers and Chemical Engineering. (印刷中). (2004)
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[Publications] 平尾 雅彦, 杉山 弘和: "環境影響を考慮した化学プロセス設計のための統合情報基盤"Journal of Computer Chemistry Japan. 2・3. 79-86 (2003)
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[Publications] Soorathep Kheawhom, Masahiko Hirao: "Environmentally Benign Separation Process Synthesis"Journal of Chemical Engineering of Japan. 37・2. 243-252 (2004)
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[Publications] 上杉浩之, 杉中智洋, 藤原政志, 桑内祐輝, 平尾雅彦: "洗浄用薬剤フッ硝酸のカスケード利用技術とそのLCA評価"エネルギー・資源学会誌. 24. 56-60 (2003)