2004 Fiscal Year Annual Research Report
担持型リビングオレフィン重合触媒の開発と気相重合プロセスへの適用
Project/Area Number |
15360419
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
塩野 毅 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10170846)
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Keywords | オレフィン / リビング重合 / チグラー・ナッタ触媒 / 担持触媒 / シングルサイト触媒 / プロピレン / 1-ヘキセン / 気相重合 |
Research Abstract |
4族錯体触媒の重合活性種は金属アルキルカチオン種であり,その重合反応性は溶媒等の重合環境に大きく依存すると予想される.オレフィンリビング重合における基礎的知見を得るために,炭化水素への溶解性に優れる乾燥修飾メチルアルミノキサン(dried MMAO)とアルキルチタン錯体([t-BuNSiMe_2Flu]TiMe_2)からなる均一系触媒における溶媒効果について検討した.ヘプタン,トルエン,クロロベンゼンおよびジクロロベンゼン中0℃でプロピレン重合を行った結果,いずれの溶媒中においてもリビング重合が進行することが明らかになった.一方,重合速度は溶媒の誘電率に大きく依存し,ジクロロベンゼン中では1モルチタン1時間当たり10トン以上のポリマーを与えるのに対しヘプタン中では約1/10程度に低下し,これは成長速度の違いに起因することを明らかにした.また,同一条件下における1-ヘキセンの重合では,ヘプタン中ではほとんどポリマーが得られなかった.一方,アルキルチタン錯体([Ar'(CH_2)_3Ar']TiMe_2)とdried MMAO担持活性化剤によるヘプタン中0℃のプロピレン重合においては,dried MMAOを担持した担体の種類によらずリビング重合が進行するが,成長速度は用いる担体の種類に大きく依存することが明らかになった.これらの結果は,高性能4族錯体触媒を設計するためには,活性種である金属アルキルカチオン種と対アニオン種との相互作用を十分考慮しなければならないことを示しており,今後担持型リビングオレフィン重合触媒を開発する上で,重要な指針を与えるものである.
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Research Products
(2 results)