2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360441
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塩谷 捨明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50026259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永久 圭介 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (00324806)
片倉 啓雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50263207)
清水 浩 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00226250)
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Keywords | 乳酸菌 / 酵母 / 共培養 / Lactobacillus kefiranofaciens / モデル化 / ケフィラン |
Research Abstract |
ケフィランを生産する乳酸菌Lactobacillus kefiranofaciensについて、乳糖濃度および乳酸濃度を変化させた培養実験を行った。その結果、乳糖消費、増殖、乳酸生産およびケフィラン生産の各比速度は基質阻害および乳酸阻害を受けることが分かった。本菌は、高い乳酸濃度の影響を受けて、増殖が強く抑えられるが、その後も乳糖消費は継続し、速度は緩くなるもののケフィラン生産も持続することも明らかとなった。これらの現象をよく表現するモデルを構築し、本モデルによりμ_<max>を与えるようなpH、培養液中乳糖濃度と乳酸濃度の培養パターン(pH(t)μ_<max>)とρ_<max>を与える培養パターン(pH(t)ρ_<max>)をシミュレーションにより求めた。また、最大ケフィラン生産を与えるようなpHプロフィール、PH(t)μ_<max>からpH(t)ρ_<max>に切り替える時間、をシミュレーションで探索した。 ケフィールグレイン由来の数株の酵母について、炭素源の資化性、増殖特性等を検討した。MRS培地におけるDL-乳酸資化性に優れ、かつ、乳糖を資化しないことから、Saccharomyces cerevisiae IFO0216株を本乳酸菌の共培養のパートナーとして選択した。共培養を行い、嫌気および好気の条件が両微生物に与える影響を調べた。好気で共培養を行うと、培養時間(87時間)が純粋培養(102時間)に比べて14%短縮でき、かつ、ケフィランの生産性(62mg/L/h)も純粋培養(24mg/L/h)に比べて1.5倍上昇した。また、共培養の糖添加実験結果から、乳酸濃度が高いにもかかわらず、比生産速度が純粋培養よりも高い事がわかった。このことから酵母が乳酸を消費し、pHの低下および乳酸による阻害を緩和するだけでなく、それ以外の相互作用も存在する可能性があると思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] B.Cheirsilp, H.Shoji, H.Shimizu, S.Shioya: "Interactions between Lactobacillus kefiranofaciens and Saccharomyce scerevisiae in mixed culture of kefiran production"Journal of Bioscience and Bioengineering. 96. 278-284 (2003)
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[Publications] B.Cheirsilp, H.Shimizu, S.Shioya: "Enhanced kefiran production by mixed culture of Lactobacillus kefiranofaciens and Saccharomyces cerevisiae"Journal of Biotechnology. 100. 45-53 (2003)