2004 Fiscal Year Annual Research Report
多様な認識特性の抗体の創出、相互作用検出、および生産のための統合システム
Project/Area Number |
15360442
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加藤 滋雄 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (20026272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝田 知尚 神戸大学, 工学部, 助手 (50335460)
塩見 尚史 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (20299077)
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Keywords | 抗体結合リポソーム / マイクロブロットアッセイ / バイオパンニング / 一本鎖抗体生産 |
Research Abstract |
ゲノム解析の進展にともない、多様な発現タンパク質の特性、機能の解析、いわゆるプロテオーム解析が医薬品開発、医療診断・高度分析、バイオプロセスなどの応用分野での重要性を増している。このためには極めて多種のタンパク質を識別し得る多様な認識能を持つ抗体分子の創出法、対象タンパク質と望ましい相互作用をする抗体の検出・スクリーニング法、ならびに抗体の効率的生産法の確立が必要である。そこで本研究では、本申請者らが開発してきた酵母のmatingによる大規模ライブラリーの作製法、疎水性膜を用いる高感度タンパク質相互作用検出法および酵母による組換えタンパク質分泌生産系の効率化の研究を基盤として、これらを統合的に展開・発展させてプロテオーム解析のために、多様な対象タンパク質を認識・検出する抗体素子を簡便・迅速に創出・取得するという目的を達成することを目指している。 本年度の研究では以下の成果を得た。 1.パーオキシダーゼ内包抗体結合リポソームを用いて疎水性膜面にマイクロブロットした抗原タンパク質からのシグナル強度におよぼす試料容積および濃度の影響ついて、従来の標識抗体法と比較検討し、本方法が微少量の試料分析において従来法より格段に優れており、マイクロプロテインアッセイへの適用が可能であることを示した。 2.対象タンパク質を提示したリボソームを用いた新規なバイオパンニング法を開発し、本法が抗原-抗体などの、特異的バイオアフィニティの検出に優れており、ライブラリーからの目的物のスクリーニング効率が高いことを見いだした。 3.一本鎖抗体(scFv)の大腸菌、および酵母Pichia pastorisによる発現を行い、これらが活性な抗体を産生し得ることを示すと共に、酵母の方が発現効率がよいことを明らかにした。
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Research Products
(2 results)