2003 Fiscal Year Annual Research Report
嗅覚レセプタを用いた嗅覚機能代替匂いセンサープロトタイプの研究
Project/Area Number |
15360444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝明 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 主任研究員 (20344187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 淳 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究センター長 (70344174)
三宅 正人 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究チーム長 (60344173)
廣野 順三 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 主任研究員 (50357878)
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Keywords | 嗅覚機能代替 / ニオイセンサ / 嗅覚レセプタ / 感覚情報処理 / 情報処理アルゴリズム / アレイ / 人工感覚器 |
Research Abstract |
嗅覚機能代替匂いセンサー開発のため、アレイ応答計測用カメラシステムおよび顕微鏡を整備し、以下の研究を推進した。まず、匂いを識別するためのレセプタコード情報を拡充するために、Tissue-printing法とCa-imaging法を組み合わせた実験を行い、新たなニオイ分子群に対する嗅細胞に発現した嗅覚レセプタ群の応答性データの収集を進めた。また、in situ hybridization法により、これまでに応答性を同定した嗅覚レセプタが嗅覚受容器の4つのゾーンのどこに発現しているかを確認し、その発現数と応答特異性の比較解析から、レセプタの信号からニオイ情報が形成されるアルゴルズムとして提案している感受性依存的階層的符号化説が支持される新たな知見を得た。さらに、嗅覚レセプタ機能発現系の構築・改良のために、いくつかの培養細胞について、様々の培養条件を試し、機能発現を改善する可能性を実験的に検討した。この結果、特殊な培養条件で、通常の応答ではないが、再現性のある応答が観察されることが分かった。また、市販の温度感受性細胞不死化遺伝子が導入された遺伝子組換えマウスから培養細胞を調整する実験では、まだ、目的の細胞が見つかっておらず、今後も実験を継続する。嗅覚レセプタタンパク質とGFPの融合タンパク質の発現部位を解析した結果、他のグループの結果と同様に、極少数の一部の細胞で細胞膜に嗅覚レセプタが移動していることが確認された。また、いくつかの培養細胞でトランスフェクションアレイ化のための最適な条件を実験的に検討した。
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[Publications] Hamana H., Hirono J., Kizumu M., Sato T.: "Sensitivity-dependent hierarchical receptor codes for odors"Chem.Senses. 28. 87-104 (2003)
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[Publications] Takeuchi H., Imanaka Y., Hirono J., Kurahashi T.: "Cross-adaptation between olfactory responses induced by two subgroups of odorant molecules"J.Gen.Physiol.. 122. 255-264 (2003)
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[Publications] 佐藤孝明, 廣野順三, 浜名 洋, 来住美和子: "嗅覚でのにおい情報の階層的符号化"Aroma Research. 4. 306-317 (2003)
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[Publications] 佐藤孝明, 廣野順三, 浜名 洋, 来住美和子: "嗅覚のニオイ識別の分子機構"材料. 52. 1399-1404 (2003)
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[Publications] 来住美和子, 坪井昭夫, 廣野順三, 浜名 洋, 坂野 仁, 佐藤孝明: "いくつかのカルボン応答レセプタの局在ゾーンの同定と発現細胞数の比較"日本味と匂学会誌. 10. 369-370 (2003)
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[Publications] 廣野順三, 浜名 洋, 来住美和子, 佐藤孝明: "Carvone応答細胞のサブタイプの分類"日本味と匂学会誌. 10. 711-714 (2003)