2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能性表面層を有する炭化ケイ素繊維を適用した高機能複合材料の研究
Project/Area Number |
15360456
|
Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA) |
Principal Investigator |
小笠原 俊夫 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部・複合材技術開発センター, 主幹研究員 (20344244)
|
Keywords | ヘルスモニタリング / 複合材料 / 機能性表面 / 繊維強度 |
Research Abstract |
平成15年度は、表面にナノスケールの絶縁被膜層を形成したセラミックス(SiC)繊維の単繊維強度分布を評価するとともに、モデル試験片による高感度損傷検出複合材料の試作と予備的な評価を実施した。その結果、表面を電気的に絶縁したSiC繊維の適用により低ひずみ領域においても高感度で損傷を検出することが可能であることが示された。平成16年度は、電気抵抗変化が繊維破断に一対一対応することを利用して、電気抵抗変化の定量的な解析を実施した。 平成17年度は、これまでに開発された表面絶縁SiC繊維センサーの適用例として、表面損傷検出について検討を行った。得られた結果を以下に総括する。 (1)表面を絶縁したSiC繊維を用いたFRPを試作するとともに、アルミ合金の補修パッチとしての適用可能性について検討を行った。その結果、補修パッチとしてのき裂進展抑制効果が認められたものの、き裂進展のモニタリング精度は必ずしも十分でなかった。これは、パッチ/アルミ合金間の接着剥がれによる影響であることが考察された。 (2)表面絶縁SiC繊維センサーを炭素繊維複合材料(CFRP)の表面に一体接着した試験片を試作して、表面への押し込み試験により、SiC繊維センサーによる表面損傷の検出の可能性について検討を行った。しかしながら、表面に形成したSiC繊維センサーからの電極の取り出しが容易でなく、再現性の高いデータを取得することが困難であることがわかった。 (3)平成15年度に投稿した論文「炭化ケイ素繊維/エポキシ複合材料の電気抵抗変化によるひずみモニタリング」(日本複合材料学会誌、30(2004)、pp33-40)が、日本複合材料学会論文賞を受賞した。(2005年5月)
|
Research Products
(1 results)