2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスおよび未利用低品位炭を利用した環境負荷低減型スラリー燃料の開発
Project/Area Number |
15360470
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平島 剛 九州大学, 工学研究院, 教授 (00175556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒川 昌美 北海道大学, 工学研究科, 教授 (40002026)
広吉 直樹 北海道大学, 工学研究科, 助教授 (50250486)
笹木 圭子 九州大学, 工学研究院, 助教授 (30311525)
糸井 龍一 九州大学, 工学研究院, 教授 (50108768)
野中 壮泰 九州大学, 工学研究院, 助手 (60271102)
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Keywords | 再生可能エネルギー / バイオマス / 二酸化炭素排出削減 / 低品位炭 / 水熱処理 |
Research Abstract |
木質系バイオマスとして杉、低品位炭としてアラスカ産のベルガ炭を試料とし、ベンチスケール連続式水熱処理装置による加圧熱水条件下(300℃、圧力12MPa)での改質実験を行なった。試料として、低品位炭をジョークラッシャー、ボールミルで1mm以下に、バイオマスをハンマークラッシャーで2mm以下にそれぞれ粉砕し、混合して濃度10wt%のスラリーを作製した。固体産物のFT-IR分析の結果、低品位炭においては官能基の一部が分解されたりエーテル結合が切断されるなどの反応が起こり、バイオマスにおいてはリグニン中の芳香族エーテル、セルロース及びヘミセルロース中のグリコシド結合が分解されるなどの反応が起こり、分解生成物が再重合することによって脂肪族及び芳香族の水難溶性物質が生成したものと考えられる。また、低品位炭に比べバイオマスは分解されやすく、混合比を考慮して算出した水難溶性物質量より実際の実験値が高い値を示したことから、バイオマス由来の水難溶性物質が低品位炭に吸着固定化されたことが考えられる。元素分析(無水無灰基準)の結果混合比にかかわらずC,H,N,O量はほぼ一定値を示し、総発熱量(無水無灰基準)も約7300kcal/kgと一定値を示した。バイオマス混合量が多い場合には、改質液の成分は木酢液と類似していることから、木酢液と同等の農業分野への利用が可能と考えられる。改質液のGC分析の結果、強い還元力を持つカテコール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、弱い還元力を持つ2-メトキシ-4-メチルフェノール、2,6-ジメトキシフェノールが検出され、これらを希少化学薬品として分離濃縮できる可能性が示された。また、改質液を用いてCr^<6+>を還元し水酸化物沈殿として溶液から除去することに成功し、土壌汚染などの浄化に有効利用できる可能性が示された。バイオマス・低品位炭混合改質産物に分散材を添加することで65%程度のスラリー燃料化が可能であることが分かった。
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Research Products
(4 results)