2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360473
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 誠介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90092155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 政雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00011172)
福井 勝則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70251361)
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Keywords | 可視化 / 連続写真 / 岩石 / クリープ / 三軸圧縮試験 / 周圧 / 粘弾性 / 構成方程式 |
Research Abstract |
クリープ試験は,古くから多くの研究者により研究されてきた.しかしながら,その破壊機構について不明な点が多いのは,最初から最後まで,試験片の状況を観察することが難しいからである.本研究では,透明な可視化ベッセル中に試験片をおいてクリープ試験をおこない,初期段階から破壊に至るまでの連続写真を撮影することを主たる目的としており,本年度は下記の成果をあげた. 第一にクリープ試験に耐える可視化ベッセルを開発した.これまでの透明な可視化ベッセルには,アクリル樹脂を使用してきたが,長時間使用すると疲労が蓄積することがわかっていた.一応の目標を3ヶ月間の連続使用として,クリープ試験用可視化ベッセルを開発した.全体的なデザイン,透明部分の材質の検討,シール材の形状・材質の検討,さらに工作精度など検討事項は多岐にわたったが,最初の半年程度で開発を終了した. 第二に写真の撮影システムを開発した.植物の成長などを取り続けた例は多いが,これは一定時間ごとに撮影すればよく,さらに撮影期間があらかじめ予想できる.クリープの場合には,いつ壊れるかの予想が付きにくいし,さらに,変化の少ない2次クリープでは比較的長い時間毎に撮影し,変化の激しい3次クリープでは可能な限り多くの撮影枚数を確保する必要がある.そこで,歪速度と画像処理した画像とを相互評価する計算機プログラムを開発し,計算機で制御しながら撮影と映像の保存をおこなった. 本年度後半は,開発した可視化ベッセルを用いて予備試験を実施した.予備試験では,クリープ応力を段階的にあげていくマルチステージ・クリープ試験をおこなった.マルチステージ試験では,試験片が破壊するまでの時間が概略ではあるが予測できるので難易度がかなり低下する.予測される破壊時刻に,人が待機し,試験システムがおもったとおりに稼動するかどうかをチェックしたところ予想通りのよい結果が得られた.
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