2003 Fiscal Year Annual Research Report
ケーブルボルトを支保メンバーとする空洞支保設計法の構築
Project/Area Number |
15360477
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
尾原 祐三 熊本大学, 工学部, 教授 (50135315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 篤夫 崇城大学, 工学部, 教授 (20279376)
佐藤 晃 熊本大学, 工学部, 助手 (40305008)
大谷 順 熊本大学, 工学部, 教授 (30203821)
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Keywords | ケーブルボルト / 支保機構 / ロックボルト / X線CTスキャナー |
Research Abstract |
本研究は、ケーブルボルトの支保機構の解明を行うとともに、その結果を用いてケーブルボルトを支保メンバーとする空洞支保設計法を構築しようとするものである。 具体的には、ケーブルボルトの力学的挙動の分析を目的として種々のケーブルボルトの室内引抜試験を実施した。これらの実験では、供試体内の破壊モードが重要であると考えられるので、引抜試験後の供試体に対してX線CTスキャナーを用いて破壊形状を撮影・分析し、その破壊を生じさせた応力状態について検討し、次のような結果が得られた。 1)引抜試験により得られた荷重・変位曲線はボルトのタイプによって異なることを示した。また、わずかな変位で大きな引張荷重を発揮するロックボルトは硬岩に対して有効であると論じた。 2)X線CTを用いてグラウト内に発生した破壊の様子を2次元および3次元的に可視化した。この結果、異形棒鋼とねじり棒鋼をそれぞれ用いた場合の破壊面はらせん状に発生し、一方、プレーンストランドとバルブストランドをそれぞれ用いた場合の破壊面は放射状であることを明らかにした。 3)上記の結果を分析し、異形棒鋼とねじり棒鋼をそれぞれ用いた場合の破壊状態はねじりによるせん断破壊が支配的であり、プレーンストランドとバルブストランドをそれぞれ用いた場合の破壊状態は、ねじりよりもむしろ内圧による効果が支配的であることが明らかとなった。 4)付着破壊のメカニズムを明らかにするためX線CTスキャナーを適用し、その有効性を明らかにした。また、実験ではボルトを十分に引き抜いた後に破壊の可視化を行なったが、荷重・変位曲線と対応しながら破壊の可視化を行うこと、破壊発生の時期やそのときの様子を可視化することなどによって、ボルトの付着破壊のメカニズムを総合的に評価することが今後の課題である。
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