2005 Fiscal Year Annual Research Report
循環型社会の生ごみバイオガス化技術の効率性の評価とその最適化について
Project/Area Number |
15360479
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷川 昇 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80343010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 徹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127134)
石井 一英 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70292050)
川上 浩良 首都大学東京, 都市環境学部, 助教授 (10221897)
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Keywords | バイオガス化 / 生ごみ / 循環型社会 / 環境負荷 / 天然資源 / 高分子膜 / エネルギー / 臭気 |
Research Abstract |
1.生ごみバイオガス化による環境負荷低減効果と天然資源消費抑制の明確化 16年度の研究で明らかにしたバイオガス化評価項目(バイオガス量、バイオガス中のメタン、二酸化炭素濃度、硫化水素濃度、液状残渣や処理排水中のBOD, COD, SS,全窒素、大腸菌群数、施設全体から臭気、施設室内のメタン濃度)を、各施設において計測した。各施設での生ごみ1t当たりのバイオガス量、バイオガス中のメタン、二酸化炭素濃度、硫化水素濃度等は、経年変化はほとんどなく、ほぼ安定していた。液状残渣も適正処理され、処理排水の水質は排水基準を大きく下回るものであった。ただし、施設から発生する臭気対策に留意すべきであり、立地場所によって施設から大気環境へ排出される最終的な臭気の臭気指数を常時30未満にしたい場合には、生物脱臭法や薬液洗浄法の脱臭設備に加えて活性炭吸着法の脱臭設備を採用する必要がある。また、発生バイオガスからは、電気と熱が順調に得られており、生ごみバイオガス化によるエネルギーの有効利用が安定して行われていた。 2.生ごみバイオガス化施設の効率性向上と最適化の検討 (1)今後、生ごみバイオガス化による環境負荷量低減と天然資源消費抑制効果の向上を図るには、生ごみの分別への住民の一層の協力が不可欠である。 (2)生ごみバイオガス化に伴って排出される発酵残さ等には、生ごみに含まれていた重金属が濃縮する可能性があり、発酵残さ等を堆肥化する場合には、定期的に堆肥化物の重金属含有量を確認することが望ましい。 (3)我々が開発した素材と製造方法によって、超薄膜スキン層を有する含フッ素ポリイミド非対称膜を作製し、その膜の気体透過特性を明らかにした。バイオガスからメタンを濃縮するには、(二酸化炭素/メタン)分離性能を高める必要があるが、膜を薄膜化することによりその特性が向上することを明らかにした。
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