2005 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー軽重イオン7次元情報検出器系の開発と天体核反応データ収集への応用
Project/Area Number |
15360506
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池田 伸夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70193208)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚住 裕介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (00232801)
若林 源一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90311852)
渡辺 幸信 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (30210959)
相良 建至 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00128026)
寺西 高 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (10323495)
|
Keywords | 核データ / 天体核反応 / 質量分離器 / マイクロチャネルプレート / 重イオン / 原子番号 / ストラグリング / 厚さ一様性 |
Research Abstract |
本研究の目標は、九州大学質量分離器焦点面検出器としての利用を第一義に考えた低エネルギー軽重イオン7次元情報検出器系を構築することにある。マイクロチャネルプレート(MCP)をシリーズに設置して、低速軽重イオンビームの位置(2次元)、角度(2次元)、飛行時間を導出し、さらに最下流に大面積のシリコン半導体検出器を設置してエネルギー情報を精密に導出する。また、原子番号同定のための新たな手法を開発する。本研究最終年度である本年度においては、最も困難が予想された原子番号情報取得法の開発を進めた。 原子番号同定には、ある厚さの物質を通過する際の粒子のエネルギー損失量と全エネルギーとの相関より原子番号を求めるカウンターテレスコープ法がよく用いられる。本研究では、エネルギー損失量をMCPによる二次電子検出量から求める手法の開発を進めた。具体的には、エネルギーストラグリングによるエネルギー広がり、及びエネルギー損失量と二次電子発生量の相関について系統的に調査し、また低エネルギー重イオンに適用するために必要不可欠な厚さ数ミクロンの薄膜の厚さ非一様性を九州大学タンデム加速器からのビームを用いて精密に測定した。これらの結果から、X線蛍光分析用マイラー薄膜を利用することにより、この新たな原子番号同定法が本検出器系を用いた天体核反応データ測定の第一の研究候補としている^4He+^<12>C→^<16>O+γ反応への応用に常に高い有用性を持つことを明らかとした。 本年度の原子番号導出法の開発により、本研究の目標であった低エネルギー軽重イオン7次元情報検出のすべての次元について必要とされる開発研究を終え、ユニークな検出器系が構築できた。
|
Research Products
(2 results)