2004 Fiscal Year Annual Research Report
高/中温での太陽集熱による水素製造触媒デバイスの開発
Project/Area Number |
15360509
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
児玉 竜也 新潟大学, 工学部, 教授 (60272811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 秀征 黒崎播磨(株), 技術開発企画部, 担当部長(研究職)
佐藤 信博 黒崎播磨(株), ファインセラミクス事業部PFCグループ, グループ長(研究職)
水野 修 住友電工(株), 伊丹研究所プロジェクト推進部, 主査(研究職)
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Keywords | 集光太陽熱 / 水素エネルギー / 水の熱分解 / 熱化学サイクル / メタン改質 / エネルギー転換 / 改質器 / 触媒 |
Research Abstract |
中・高温の太陽集熱を水素に転換する2つの反応プロセスについて新規触媒デバイスの開発を行った。 1.高温での反応性セラミックによる1400℃/1000℃の2段階水熱分解サイクルの検討について (1)高反応性のFe_3O_4/ジルコニア体を見出しており、担体が立方晶ジルコニアの場合は、FeO固溶型ジルコニアが生成し、これが水分解時には酸化されてFe_3O_4微粒子が担体上に析出する。今年度はさらに、立方晶安定化剤のYドープ量を増大すると、ジルコニア格子内でのFe^<2+>⇔Fe^<3+>転移によって水分解が起こるようになることを見出した。この機構によって鉄酸化物の融解・焼結による失活の問題が回避され、サイクル反応性がさらに向上することが見出された。 (2)担体を単斜晶ジルコニアにした場合は、Fe_3O_4⇔FeO結晶相の転移が担体上で起こり水分解が進行する。今年度、NiをFe_3O_4にドープすると従来にない高い反応効率(70%)が達成できることを見出した(3)黒崎播磨(株)の協力の下、反応性セラミック微粉体を担持するSiC、及びZrO_2発泡構造体を試作し、これに反応セラミック微粉体を20wt%以上担持した触媒デバイスを作製することができた。今後は本研究の成果を踏まえ、デバイスの反応試験を行う。 2.中温(750-850℃)での天然ガスの吸熱型反応による水素製造について 住友電工(株)の協力の下、Ru/Al_2O_3担持Ni-Cr-Al合金発泡体触媒デバイスを10cm径に大型化し、これをドイツ航空宇宙センターの大型太陽炉(25kW)で集光照射し、デバイスの物性・特性評価を行った。従来のセラミック発泡体によるものと比較し、より高い熱伝導性を持つことからデバイス中心のオーバーヒートが回避され、全体に渡ってより均一な温度分布が達成されることが見出された。これは反応・エネルギー効率向上に大きく寄与する。
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Research Products
(5 results)