2004 Fiscal Year Annual Research Report
エンド型グリコシダーゼを用いたリコンビナントプロテオグリカン糖鎖の再生
Project/Area Number |
15370041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高垣 啓一 弘前大学, 医学部, 教授 (70163160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 淳 弘前大学, 医学部, 助教授 (60271798)
柿崎 育子 弘前大学, 医学部, 助手 (80302024)
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Keywords | デコリン / リコンビナント / オーダーメイド |
Research Abstract |
遺伝子工学的に作られるタンパク質には、その糖鎖が不完全、あるいは欠損しているため、生理活性の発現やタンパク質の安定性に問題のある例が知られている。そこで、我々はプロテオグリカン糖鎖の機能解明を目的に、最も単純なデコリンに着目し、その糖鎖を糖鎖工学的に改変する以下の研究を行った。 糖鎖が不完全な場合には、ウシ精巣性ヒアルロニダーゼを、糖鎖が完全に欠損している場合には、エンド-β-キシロシダーゼを用いて、それらの糖転移活性を利用した。その結果、糖鎖が不完全なヒト黄色靱帯デコリンの糖鎖をヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン4-硫酸、コンドロイチン6-硫酸などに組み換え、あるいは、修復することに成功した。また、培養ヒト皮膚繊維芽細胞由来のmRNAをtemplateにて既存のデコリン塩基配列に基づいたプライマーを使用して、RT-PCR法を行い、完全長のデコリン分子種(デコリンAとデコリンE)cDNAを調製した。調製したcDNAをタンパク質発現ベクター(pBAD/TOPO Thio fusion(Invitrogen))に組み込み、大腸菌に導入し、コアタンパク質のみを産生させた(糖鎖欠損デコリン)。さらに、デコリン糖鎖の根元に作用する新たな酵素(Streptomyces olivaceoviridis由来のキシラナーゼリコンビナント体)の開発を行った(特許出願番号PCT/JPO3/15091)。また、プロテオグリカンのグラコーム解析法として、エンド型酵素、蛍光標識、HPLC、LC-MS/MSを組み合わせたプロテオグリカン糖鎖全体の簡便な構造比較法を開発した。本研究により、遺伝子工学的に作られる糖鎖不完全プロテオグリカンリコンビナント体の欠点を補うことが可能となり、さらに、プロテオグリカンの糖鎖と機能を解明する上で有用な情報が得られることも期待される。
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