2006 Fiscal Year Annual Research Report
エンド型グリコシダーゼを用いたリコンビナントプロテオグリカン糖鎖の再生
Project/Area Number |
15370041
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高垣 啓一 弘前大学, 医学部, 教授 (70163160)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 淳 弘前大学, 医学部, 助教授 (60271798)
柿崎 育子 弘前大学, 医学部, 助手 (80302024)
|
Keywords | プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / オリゴ糖 / 糖鎖工学 / エンド-β-キシロシダーゼ / エンド型グリコシダーゼ |
Research Abstract |
1.エンド-β-キシロシダーゼ活性を有するStreptomyces olivaceoviridisy由来のリコンビナントキシラナーゼを精製し,各種のプロテオグリカンに関する加水分解作用の解明を行った。その結果,本酵素はコンドロイチン硫酸,デルマタン硫酸,ヘパラン硫酸のいずれのプロテオグリカン糖鎖(グリコサミノグリカン)に作用した。その糖鎖長が短いほど活性は高く,グルクロン酸-ガラクトースーガラクトースーキシロースの4糖で最大であった。至適PH6.0,至適温度60℃であった。本酵素はキシラン結合領域と触媒ドメインからなるが,キシラン結合領域の欠失型は野生型に比較して活性が高く,本酵素が作用するとき,キシロースが触媒部位ではなくキシラン結合部位に結合するため作用しにくいためと予想された。更に本酵素の糖転移活性を解析したところ,エンド-β-キシロシダーゼ同様に糖転移活性が存在していた。 2.グリコサミノグリカンの糖鎖工学的研究のため,グリコサミノグリカンおよびそのオリゴ糖の大量精製を行った。最初に,臓器(クジラ軟骨,サケ鼻軟骨)からの抽出には酢酸が迅速かつ簡便であることを見出した。抽出したブロテオグリカンをプロテアーゼとキシラナーゼで消化し,グリコサミノグリカンを完全な形で遊離させた。一部はウシ精巣ヒアルロニダーゼで消化してオリゴ糖にした。何れもカラムクロマトグラフィー,HPLCで精製した。その結果,一回の実験室レベルの精製過程で数オーダーの完全長グリコサミノグリカンと数百ミリグラムオーダーのオリゴ糖が精製可能であった。 以上の酵素および糖鎖,オリゴ糖の大量精製から容易に人工プロテオグリカンの合成が可能になり,将来的に組織再生,アンチエイジングあるいは各種疾患創薬への適用の可能性が期待された。
|