2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞種特異的アダプター(AP)複合体の細胞および個体レベルでの機能解析
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15370042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大野 博司 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, チームリーダー (50233226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 耕二 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (20359714)
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Keywords | 小胞輸送 / AP複合体 / 細胞内局在 / 極性輸送 / 遺伝子欠損マウス / てんかんけいれん / GABA |
Research Abstract |
μ3B欠損マウスはGABA作動性ニューロンのシナプス小胞の数が少なく大きさもやや小さいこと、GABAの遊離が少ないことがわかった。また電気生理学的検討からも、神経興奮性が増大し、GABA遊離の障害が示唆された。したがって、GABAによる神経抑制の破綻がμ3B欠損マウスにおけるてんかんけいれんの原因と考えられる。 μ3B欠損マウスの異常の分子機構を明らかにする目的で、μ3B欠損マウスおよび野生型マウス脳から抽出したRNAを用いて、マイクロアレイによる遺伝子発現プロファイル解析を行った。現在μ3B欠損マウスおよび野生型マウスで発現の異なる遺伝子群の解析を進めている。 AP-3Bのリガンドに関しては、シナプス小胞の膜上に存在するGABAトランスポーターであるVGATおよび亜鉛トランスポーターであるZnT3をその候補として解析を進めた。VGAT、ZnT3は、ともに複数回膜貫通蛋白質でN末・C末とも細胞質側に存在する。これらのN末およびC末の細胞質ドメインのキメラ蛋白質を作製し、免疫染色にて細胞内局在を検討した結果、VGAT、ZnT3の両者ともN末、C末の両方にジ・ロイシンシグナルという細胞内局在シグナルを持つことが明らかとなった。現在その細胞内局在機構を詳しく検討中である。 μ1B欠損マウスは胎生致死の可能性を考えCre-loxP系により、組織特異的欠損の導入を可能にしてある。本年度は、Cre-Tgマウスと交配することにより、μ1B欠損をヘテロに持つマウス、neomycin耐性遺伝子のみを欠失したマウスを得た。現在腸管特異的Cre-Tgと交配することにより、腸管特異的μ1B欠損マウスを作成中である。 また、μ1BのX線結晶構造解析のため、μ1Bの輸送シグナルとの結合部位を含むC末2/3領域の大腸菌での蛋白質発現系を樹立し、蛋白質の大量発現・精製を試みている。
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Research Products
(2 results)