2004 Fiscal Year Annual Research Report
基底膜結合型インテグリンを介するシグナル伝達と活性制御の分子機構
Project/Area Number |
15370055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
顧 建国 大阪大学, 医学研究科, 助手 (40260369)
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90304055)
高木 淳一 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90212000)
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Keywords | インテグリン / 膜4回貫通蛋白質 / テトラスパニン / 単クローン抗体 / シグナル伝達 / siRNA / FRET / 基底膜 |
Research Abstract |
1)"CD151がインテグリンの活性化状態を制御している"という作業仮説の検証を引き続き行った。CD151と複合体を形成したインテグリンα3β1と複合体を形成していない同インテグリンの活性化状態を活性型インテグリンを選択的に認識する抗体(mAbAG89)との反応性により比較検討し、CD151との複合体形成により、インテグリンα3β1の活性化状態が安定化されることを明らかにした。このようなCD151によるインテグリンα3β1の活性化状態の安定化は、細胞から単離したインテグリンだけでなく、細胞表面上のインテグリンでも観察され、生理的な意味を持つ現象であると考えられる。次に、CD151の発現をsiRNAを利用して抑制する実験系を確立し、CD151発現抑制細胞でインテグリンα3β1の活性化状態がどのように変化するかを検討した。予想通り、CD151発現抑制細胞では、mAbAG89との反応性が有意に低下し、インテグリンα3β1の活性化状態が不安定化したことが確かめられた。 2)昨年度の研究により、我々が作成した抗CD151抗体8C3は、精製したインテグリン-CD151複合体を解離させることがわかっている。このような8C3抗体によるインテグリン-CDI51複合体の解離が細胞表面でも起こるかどうかを、FRET(fluorescence energy transfer)を利用した測定法を開発して検証した。その結果、我々の8C3抗体は添加後速やかにインテグリン-CDI51複合体を解離させたが、他のCD151抗体(SFA1.2B4、11G5、14A2.H1)では、複合体の解離は観察されなかった。これらの結果は、8C3抗体がインテグリン-CD151複合体を解離させるユニークな抗体であることを示している。
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Research Products
(6 results)