2005 Fiscal Year Annual Research Report
基底膜結合型インテグリンを介するシグナル伝達と活性制御の分子機構
Project/Area Number |
15370055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
顧 建国 大阪大学, 医学研究科, 助教授 (40260369)
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90304055)
高木 淳一 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90212000)
二木 杉子 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00403014)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 基底膜 / 細胞接着 / ラミニン / インテグリン / シグナル伝達 / 細胞 / テトラスパニン |
Research Abstract |
ラミニン結合性インテグリンには、膜4回貫通蛋白質テトラスパニン(特にCD151)が結合して、複合体を形成している。インテグリンを介する基底膜からのシグナル伝達において、テトラスパニンがどのような役割を果たしているかを明らかにするため、CD151の発現をsiRNAを用いて抑制し、その影響を解析した。その結果、CD151発現抑制細胞では、ラミニンへの接着活性が有意に低下し、細胞の形態も扇型から紡錘体型に変化していた。また、CD151発現抑制細胞では、著明な突起伸張が観察された。このような基質への接着の変化の原因を探るため、シグナル伝達に関わる因子の動態を解析した結果、CD151発現抑制細胞ではc-srcの活性が有意に増加していることが判明した。また、部位特異的リン酸化チロシン抗体を用いた解析により、csk依存的なY529のリン酸化がCD151発現抑制細胞では有意に低下していることがわかった。また、p130Cas、FAK、paxillinのチロシンリン酸化の有意な亢進がCD151発現抑制細胞では観察された。これらの結果は、ラミニン結合性インテグリンとCD151が複合体を形成することにより、c-srcの活性化が抑制されていることを示唆している。また、CD151発現抑制細胞では、カドヘリンの活性を反映するCDS(calcium-dependent cell adhesion system)活性が低下していた。CD151は基底膜への接着とそれに共役するシグナル伝達を制御する一方、カドヘリンを介する細胞-細胞間接着の制御にも関わる可能性が高く、基底膜による上皮の構築において重要な役割を果たしていることが推定された。
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Research Products
(6 results)