2004 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学プロテオミクスを用いたPKC-δシグナル伝達系の解明
Project/Area Number |
15370060
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 鎮次 北海道大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70294973)
嘉村 巧 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40333455)
中山 啓子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
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Keywords | 発生工学 / プロテオミクス / シグナル伝達 / リン酸化 / 質量分析 / 翻訳後修飾 / PKC-δ / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
蛋白質のリン酸化はチロシン、セリン、スレオニン残基へのリン酸基の付加反応であり、リン酸化はキナーゼ、脱リン酸化はフォスファターゼと呼ばれる酵素が関与している。キナーゼなどの基質の同定法として、ノックアウトマウスの解析にプロテオミクス的アプローチを組み合わせることが有効である。われわれは、鉄やガリウムなどの金属がリン酸と結合することを利用した金属固定化アフィニティークロマトグラフィー(IMAC : immobilized metal affinity chromatography)によるリン酸化蛋白質の濃縮法を用いて、様々な刺激を行った細胞の抽出液からリン酸化蛋白質の濃縮を行い、回収された蛋白質を質量分析計によってショットガン解析を行った。さらにわれわれはIMACによるリン酸化ペプチドの精製と酵素的脱リン酸化を組み合わせることで効率よいリン酸化ペプチドの同定法を確立した。さらに定量的プロテオーム解析において非常に有効な手法である安定同位体標識法を用いて、Jurkat細胞(ヒトT細胞株)、Namalwa細胞(ヒトB細胞株)、HEK293T細胞(ヒト胎児腎細胞)のリン酸化関連プロテオームの変動解析を行い、一度の解析で130種類程度の蛋白質の同定・定量に成功している。これらの蛋白質の中で約90種類が刺激に応答して変動しており、多数の既知のシグナル伝達関連分子に加えて、これまでリン酸化の報告がない蛋白質も含まれており、新規リン酸化蛋白質のスクリーニング系としても有効であることが示された。現在、これらの方法をリバースジェネティクスへ適用を検討している。これらの解析から、複雑なシグナル伝達分子間の関係を全体像として捉えることが期待される。
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Research Products
(7 results)