2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15370067
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 繁 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40108634)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三野 広幸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70300902)
柴田 穣 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20300832)
中村 洋子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20217912)
|
Keywords | アカリオクロリス / chl d / アシドフィリウム / Zn-Chl / 光化学系I / 光化学系II / 新型光合成 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
本研究では近年発見された新型光合成系の構造と仕組みを解明し、反応中心の原理を明らかにすることを目的とし、主に2種の新型光合成系アカリオクロリスとアシドフィリウムの反応中心タンパク質を中心に周辺アンテナタンパク質まで研究を進めた。 アカリオクロリスは酸素発生型光合成系ではクロロフィルaが使われるというこれまでの常識を破り光合成にクロロフィルdを用いる新種光合成反応中心である。本研究では、アカリオクロリスの光合成系に対して遅延蛍光、時間分解蛍光などの手法を用いて蛍光が光化学系IIに属するクロロフィルd由来であるという結果を得た。更に励起エネルギー移動の詳細を解析し、アカリオクロリス特有の励起移動を見いだした。あわせて、電子スピン共鳴法により光化学系Iの反応中心P740の電子構造を詳細に解析することに成功した。これらの分光学的研究と平行して、アカリオクロリスがフィコビリンを失った変異体を自然界で持つことを発見した。このような変異はクロロフィルa型の酸素発生系では報告例はなく、酸素発生型光合成の環境適応機構を研究する上で重要な結果といえる。 アシドフィリウムは通常(バクテリア)クロロフィルが中心金属にMgをもつのに対してZn型バクテリオクロロフィルを持つ新種である。光合成反応中心タンパク質を単離して、フェムト秒での超高速分光測定に成功し解析を行った。また、タンパク質構造、遺伝子配列、機能との関係を比較、解析した。 これら新型色素を使う光合成は、既知の光合成生物とは異なった光のエネルギーをうまく利用できること。しかもこれにはタンパク質部分のほんの少しだけの変更だけで可能になることが明らかになった。
|
Research Products
(7 results)