2004 Fiscal Year Annual Research Report
クライオ電子顕微鏡法とNMR分光法による筋収縮制御機構の研究
Project/Area Number |
15370069
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
若林 健之 帝京大学, 理工学部, 教授 (90011717)
|
Keywords | アクチン / トロポニン / トロポミオシン / カルシウム / 筋収縮 / カルシウム制御 / 分子モーター / カルシウム・スイッチ |
Research Abstract |
生体運動は分子モーターが分子レールの上を滑ることによると考えられている。その際ATP分解が伴い、細胞内カルシウム・イオン濃度が制御に関わっている。分子モーターであるミオシンが分子レールであるアクチン・フィラメント上を滑る際には、まずCa^<2+>がトロポニンに結合して細いフィラメントを活性化し、活性化された細いフィラメントにミオシン・ADP・無機リン酸(Pi)複合体が相互作用する。このCaによる「細いフィラメント」の活性化の分子機構を明らかにしたい。とくに、低Ca濃度ではトロポニンが分子構造変化しトロポニン・アームがトロポニン分子本体から突出してくることを、私たちはクライオ電子顕微鏡像を単粒子解析して初めて明らかにしたので、このトロポニン・アームをアミノ酸レベルでその構造を明らかにし、分子スイッチのメカニズムを解明したい。この目的達成のため、「細いフィラメント」の三次元構造の高分解能化を図る。トロポニン・アームの原子構造をNMR分光法によって決定し、これを電子顕微鏡からの三次元像にドッキングした。これによって、アクチンとトロポニン・アームの結合様式をアミノ酸残基のレベルで明らかにすることに成功した。これに基づいてトロポニンのコア・ドメイン全体を電子顕微鏡からの三次元像にユニークにドッキングすることにも成功したので、弛緩状態の細いフィラメントの原子モデルを構築出来た。しかし、トロポニンの一部はまだ構造が決定できていないので、残りの部分の構造解析を行っている。
|
Research Products
(2 results)