2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15370070
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
嶋本 伸雄 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (20127658)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 秀喜 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (10370115)
|
Keywords | RNAポリメラーゼ / 分子機械 / 酵素反応 / 核酸 / 発現制御 / 分子メモリー / プロモーター配列 |
Research Abstract |
転写の分子装置は、二つのコンフォーメションとして1分子メモリーを備えており、それを調節機構として用いていることを、研究期間を含む数年で大腸菌の転写系を利用して進めてきた。つまり、 1.二つのコンフォーメションのうち、一方のみが意味のあるRNAを合成し、他方はプロモーターにmoribund complexとしてアレストされる。 2.両コンフォーメションの量比や両者間の可逆性はプロモーター配列で決定され、さらに転写因子によって変化し、転写開始の調節機構となり得る。 3.この分子メモリーの内容には、RNAポリメラーゼとプロモーターとの位置のずれを含む形態的変化が含まれる。 4.このアレスト現象は広範囲のプロモーターで見られ、大腸菌の中で少なくともatpオペロン、rpsA、cspAの調節にGreAを通して働いている。 この研究の第一の目的は、この調節機構が、長年探されてきた、バクテリアにおける転写とDNA修復とのミッシングリンクかどうかを検証することにある。次の結果をえた。 1.本来不活性なコンフォーメーシヨンを形成しない、T7A1プロモーターを持つDNAに、UV光を照射して、1分子あたり1箇所以下のシクロブタンを形成する条件を確立した。 2.シクロブタンを持つDNAの一部は、アレスト現象を起こし、moribund cxomplexの寿命は1時間以上と観測された。 3.アレスト現象を起こしたDNA上のシクロブタンの位置を求めるための手段を比較して、Taq DNA polymeraseによるprimer extensionが最も定量性が高いことを明らかにした。 そして、どの位置のシクロブタンがmoribund complexを作るか、最後の詰めに入っている。
|
-
-
-
[Book] ナノバイオ入門2005
Author(s)
嶋本伸雄
Total Pages
190
Publisher
サイエンス社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より