2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷修復におけるhEPC1ポリコーム蛋白質複合体のプロテオミクス解析
Project/Area Number |
15370078
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井倉 毅 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (70335686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 雄司 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30273866)
神谷 研二 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60116564)
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Keywords | hEPC複合体 / 複合体のダィナミクス / TIP60 / ヒストンH2AX / MS解析 |
Research Abstract |
1)hEPC1の安定発現形質株の作成 レトロウイルスベクターにクローニングしたhEPC1遺伝子をパッケージング細胞であるBING細胞に遺伝子導入し、レトロウイルスを作成、HeLa細胞に感染させ安定発現形質株を作成した。実際にタンパクとして発現していることをIP-western blotting法により確認した。 2)hEPC1複合体の精製 HeLa細胞にhEPC1を安定に発現するHeLa細胞からhEPClを精製した。 精製を行うにあたり、損傷前後での複合体のダイナミクスを検討するため、ガンマ線照射およびBleomysinで細胞を処理し、DNA損傷下での精製を試みた。なお、DNA損傷後から核抽出液を調整するまでの時間は、TIP60複合体からhEPC1が離脱する直後までの時間をTIP60のIP-western blottingを抗hEPC1抗体により検討した。結果は損傷を与えてから約10min後にはhEPC1がTIP60複合体から離脱することが明らかになった。これらの結果をもとにhEPC1の精製を行った。その結果、hEPC1は複合体として存在することが明らかになり、またその複合体はDNA損傷前後でいくつかのコンポーネントが入れ替わる、複合体の再編成(ダイナミクス)がおこることを示すことに成功した。現在、この複合体にふくまれるコンポーネントをマススペクトロメトリー(MS)解析で同定している。またこの中で、特にヒストンH2AXが存在することに着目し、損傷後におこるヒストンH2AXのリン酸化とhEPC1複合体との関わりについても現在検討中である。 3)hEPC1複合体の特異的な酵素活性の網羅的検討 現時点ではクロマチン構造変換に関わる酵素活性に関与するような因子はMS解析で同定されていないが、今後解析を進めていく段階で可能性のある因子が同定されれば順次検討を加えていく予定である。
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