2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨格形成細胞の大きさ・化学走性・分化におけるAktとRunx2の相互作用の解明
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15370087
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小守 壽文 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00252677)
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Keywords | Runx2 / Cbfal / Akt / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / 化学走性 / デキメサゾン / PI3K |
Research Abstract |
骨芽細胞・軟骨細胞の分化と化学走性においてRunx2とphosphatidylinositol 3-kinase(PI3K)-Aktシグナルにクロストークがあるか検討した。Runx2とPI3K-Aktシグナルはともに、未分化間葉系細胞C3H10T1/2の骨芽細胞への分化、および未分化骨芽細胞株MC3T3-E1の分化を促進した。さらにインスリン存在下で軟骨細胞に分化するATDC5細胞の軟骨細胞への分化およびその後の成熟を促進した。また、両者ともに、これらの細胞の化学走性を促進した。Runx2はp85、p110β、Aktの蛋白量を増加させ、PI3K-Aktシグナルは、Runx2のDNA結合能および転写活性化能を増強させた。また、Runx2のDNA結合能および転写活性化能は、ドミナントネガティブ型Aktによって抑制された。すなわち、Runx2とPI3K-Aktシグナルはクロストークしながら、骨芽細胞・軟骨細胞の分化と化学走性を促進していることが明らかになった。しかし、AktはRunx2のリン酸化には影響を与えなかった。したがって、AktはRunx2と転写複合体を構成する蛋白のリン酸化を調節することにより、Runx2の機能を調整すると考えられた。 デキサメサゾン(DEX)は、ATDC5細胞の軟骨細胞への分化の初期課程である細胞凝集を抑制した。一方、Runx2及びAktはATDC5細胞の細胞凝集を促進、ドミナントネガティブ型のRunx2とAktはその凝集を抑制した。DEXは、Aktのリン酸化とPI3K構成蛋白p85とp110の蛋白量を低下させた。さらにRunx2のDNA結合能および転写活性化能を抑制した。したがって、DEXは、Aktのリン酸化抑制-Runx2のNA結合能・転写活性化能の抑制-p85とp110の蛋白量の低下といったカスケードにより、ATDC5細胞の凝集を抑制すると考えられた。
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Research Products
(3 results)