2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネの一年生/多年生に関連するチロシン代謝系遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
15380003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 郁郎 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50207867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三位 正洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30093074)
佐藤 雅志 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (40134043)
石川 隆二 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (90202978)
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Keywords | イネ / GSTZ遺伝子 / 一年生 / 多年生 / プロモーター / 遺伝子発現 / 定量PCR法 |
Research Abstract |
平成16年度に本研究に関する以下の研究を実施した。 イネのGSTZ遺伝子のプロモーターの機能解析 イネの2つのGSTZ (zeta type glutathione S-taransferase)遺伝子は、短い介在配列をはさんでタンデムに並んで存在している。この2つのGSTZ遺伝子がどのような転写制御を受けているのか解析するために、それぞれの遺伝子の5'上流配列を単離してホタルおよびウミホタルのルシフェラーゼ遺伝子に連結したコンストラクトを作製した。この2つのプラスミドをパーティクルガン法を用いてイネの懸濁培養細胞に導入し、ルシフェラーゼの酵素活性を測定したところ、2つのコンストラクトで同定度の遺伝子発現誘導活性を持つことが明らかになった。私達の以前の研究によりGSTZ1遺伝子は、GSTZ2遺伝子よりも30倍量のmRNAを発現することが明らかになっているので、この結果は、2つのGSTZ遺伝子の5'上流配列には最少プロモーター活性を保持しているものの組織特異性およびストレス誘導性に関与する転写調節領域が遺伝子の内部あるいは遠く離れた領域に位置していることを示唆している。今後、2つのGSTZ遺伝子の転写調節領域を明らかにする予定である。 一年生/多年生のイネにおけるGSTZ遺伝子の発現解析 アジアの多年生栽培イネ(O.sativa)と近縁なアフリカの一年生栽培イネ(O.glaberrima)では、GSTZ2遺伝子は正常に機能しているが、GSTZ1遺伝子は破壊されていること独自に開発したゲノムウォーキング法を用いて明らかにした。そこで、一年生/多年生野生イネおよび日本型/インド型イネの間で、GSTZ1およびGSTZ2遺伝子の発現量を定量PCRを用いて解析を進めており、一年生/多年生との関連を調査する予定である。また、GSTZ1遺伝子を欠損しているアフリカ栽培イネにアジアイネのGSTZ1遺伝子を導入した形質転換イネの作出も試みている。
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Research Products
(5 results)