2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネ・トランスポゾンmPingを植物体内で可動化する遺伝要因
Project/Area Number |
15380006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90152438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷坂 隆俊 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026591)
中崎 鉄也 京都大学, 農学研究科, 助手 (60217693)
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 助手 (80378819)
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Keywords | Rurm1 / mPing / MITE / イネ / トランスポゾン |
Research Abstract |
イネ品種銀坊主に誘発された易変性突然変異系統IM294ではRurm1座に挿入されたMITE因子mPingが高頻度で切出される。いままでの研究により、原品種銀坊主はmPingおよびPingの数が日本晴に比べて極めて増幅している特異な遺伝子型であることが判明した。mPingのコピー数は1000コピー以上で日本晴の10倍以上を有すると推定される。また、Pingコピー数は日本晴が1コピーであるのに対して銀坊主では7コピー存在する。Pingの挿入位置を調査する過程で、Pingの隣接配列とPingの連鎖関係に不一致が認められた。この点を明らかにするため、銀坊主のゲノミックライブラリー(FOSMIDライブラリー)を構築して、Pingを含む断片をスクリーニングした。この結果、挿入箇所が互いに異なる7種類のPingを含むクローンを選び出すことができた。この結果、染色体1に座乗する2つのPing(12cMと20cM)のうち一方(12cM)は別種のMITE様因子(Pyong)に挿入されていた。Pyongと相同の配列は染色体1の下流側(120cM)にも存在するため、隣接配列から実際は12cM付近のPingの位置を隣接配列から誤って120cMと推定していたことが明らかとなった。また、得られたクローンの中から、銀坊主ではPingの挿入が認められない染色体2(156cM)にPingの挿入が見出された。さらに、銀坊主のバルクDNA試料から染色体1(12cM)から切出されたPingの痕跡(filler DNA)見出された。以上のことから、銀坊主ゲノム中ではPingの切出し、挿入が頻繁に生じていると考えられた。
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