2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
一井 眞比古 香川大学, 農学部, 教授 (50036076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 真 香川大学, 農学部, 助教授 (40216891)
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Keywords | イネ / ケイ酸 / 飼料 / 突然変異体 / 消化性 |
Research Abstract |
GR1はイネの必須元素であるケイ酸を積極的に吸収しない世界で初めての突然変異系統である.また,その特性は短因子劣性遺伝子に起因する.一方,飼料用イネの特性として,籾殻及び植物体のケイ酸が少ないことが求められている.そこで,本課題では低ケイ酸含量突然変異系統GR1の飼料用イネとしての利用の可能性について検討する. 本年度は,突然変異系統GR1とその野生型オオチカラを供試し,それらの出穂日や稈長を始めとする農業形質,ケイ酸含量,いもち病抵抗性,コブノメイガ抵抗性及び茎葉・子実消化性を中心に比較し,飼料用イネとしての有用性を検討した.得られた結果の概要は次のとおりである. 1)農業形質:GR1の出穂日はオオチカラのそれより1日遅かったが,稈長はオオチカラより約7cm低く,穂重もオオチカラの80%であった.また,いずれの系統にも倒伏は認められなかった.ただ,GR1の頴が出穂直後から褐色になりはじめ,成熟期には系統間の頴色の差は顕著であった. 2)ケイ酸含量:GR1の籾殻及び茎葉におけるケイ酸含量はオオチカラの10-15%であり,系統間の差はきわめて顕著であった. 3)いもち病抵抗性:幼植物における葉いもち抵抗性には系統間の差は認められなかった. 4)コブノメイガ抵抗性:GR1における幼虫生存率等はオオチカラより有意に高く,GR1はオオチカラより好適な餌のようであった. 5)茎葉・子実消化性:いずれの乾物消化率にも系統間差は認められず,GR1の消化性はオオチカラと同様であった. GR1のケイ酸含量が野生型オオチカラより顕著に低いにも拘らず,GR1の茎葉や子実の消化性並びに葉いもち抵抗性がオオチカラと同程度であったことはたいへん興味深く,さらに検討を加える必要がある.また,GR1のケイ酸非吸収特性の遺伝解析については次年度での進展を期待したい.
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