2005 Fiscal Year Annual Research Report
土壌硬盤層に対するコムギの根貫入力に関する遺伝的変異の解明
Project/Area Number |
15380010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩間 和人 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70144219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
実山 豊 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90322841)
渡部 信義 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90126764)
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Keywords | 育種 / 乾燥抵抗性 / コムギ / 選抜 / 根 / QTL解析 |
Research Abstract |
ロウ-ワセリン混合層(PV層)を封入した根貫通力検定用ポットを利用して以下の3項目を検討した. 1.根貫通力のQTL解析:ICARDAの交配分離系統群(2組合せ,各120系統)に関する昨年度の根貫入力の測定データについて,海外共同研究者の作成した遺伝子マップを用いて根貫入力についてのQTL解析を実施し,6A染色体下部にQTL(LOD値3以上)を検出した.茎長などの地上部形質に関するQTLは別の箇所に検出されたことから,根貫通力は地上部形質とは独立した遺伝形質であると推察された. 2.根貫通力検定法の改良:(1)根貫通力が顕著に異なるコムギ10品種で,根の種類(種子根,冠根,分枝根)別にPV層への到達根数とPV層貫通根数を測定した.貫通根数の品種間差異は種子根と分枝根における貫通根数の差異に主として影響され,また両形質間には高い正の相関関係が認められたので,生育の初期に伸長する種子根の貫通力を指標にして貫通力の品種間差異が判定できると推察した.(2)根貫通力の異なる6品種をPV層下部を空白とした改良ポットと従来ポットで同時に栽培し,播種後4,6,8週目に貫通根数を測定した.改良ポットでの播種後4週目の貫通根数は従来ポットでの播種後6週目の貫通根数と有意な正の相関関係を示したことから,改良ポットを用いることによって播種から1ヶ月の短期間で根貫通力の遺伝的差異を判定できることが示唆された. 3.次年度以降における実験材料の増殖と遺伝資源の確保:次年度の実験に用いるコムギ種子の増殖を行った.また,カナダ農業・食品省穀類研究所(Winnipeg市)のSomers博士を訪問し,博士らの育成した遺伝的物理地図のあるコムギ集団で根貫通力を測定し,根貫通力のQTL解析を行う共同研究について協議・合意した.
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Research Products
(6 results)