2003 Fiscal Year Annual Research Report
モデル園芸作物'マイクロトム'のファンクショナルゲノミクス
Project/Area Number |
15380019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金山 喜則 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10233868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20197164)
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Keywords | トマト / マイクロトム / 果実 / プロモーター |
Research Abstract |
本研究では、果樹や果菜のモデル作物として適切な、ミニチュアトマトであるマイクロトムを用いて、ファンクショナルゲノミクスを行うことを目的としている。本年度は、マイクロトムを用いた形質転換の効率や果実特異的発現プロモーターの利用に関する検討を行うとともに、リバースジェネティクスによるいくつかの遺伝子の機能の証明を試みた。 材料としては'マイクロトム'の他に、従来アグロバクテリウム法による形質転換によく用いられてきた'Alisa Craig'を供試した。導入遺伝子としては、果実への物質集積に関わる液胞プロトンピロフォスファターゼや糖代謝関連酵素cDNAを用いるとともに、並行してそれらの園芸作物における機能について検討した。また、プロモーターとしては一般に用いられる構成的発現プロモーターであるカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターのほかに、トマト果実の成長段階を通して強く発現する2Allプロモーターをクローニングして用いた。 導入遺伝子の一つであるNADソルビトール脱水素酵素遺伝子は、PCR法によって全翻訳領域を含むcDNA配列をクローニングし、大腸菌で融合タンパク質として合成してその酵素学的性質を確認した。マイクロトムを用いた形質転換については、発芽がやや不揃いで、子葉も展開しにくく、また小さいために取り扱い時に褐変しやすい傾向があった。しかし、子葉を未展開でも用いることや、アグロバクテリウム濃度をやや高めに設定することで、カルスおよびシュート形成率が向上し、'Alisa Craig'と同等か、それ以上の効率でシュートを得ることができた。現在形質転換体の育成・選抜中であるが、プロトンポンプを果実特異的プロモーターで過剰発現させることで、単為結果が誘発されることが示唆された。
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Research Products
(1 results)