Research Abstract |
1.属間雑種を利用したリンゴ'ふじ'とナシ'大原紅'の連鎖地図の作成(伴野分担) 新たに育成したリンゴ'ふじ'とナシ'大原紅'の交雑系統(F×Ob)62系統を用いて,110種類のランダムプライマーによって得られたRAPDマーカー,24種類のSSRプライマーによって得られたSSRマーカー,S遺伝子,赤葉形質(Red),リンゴ斑点落葉病感受性遣伝子(Alt)をそれぞれマッピングデータとして用い,'ふじ'と'大原紅'の連鎖地図をMAPL98を用いて作成した。その結果,'ふじ'では,全長628.5cM,15連鎖群,55遺伝子座からなる連鎖地図が作成され,S遺伝子,Got-1,Adh-2の各アイソザイム遺伝子がマッピングされた。一方,ナシ'大原紅'では,全長1185.3cM,27連鎖群,108遺伝子座からなる連鎖地図が作成され,S遺伝子,赤葉形質,各アイソザイム遺伝子座がそれぞれマッピングされた。 2.ナシ及びリンゴ果実で発現するESTクローンの解析(伊藤分担) 'おさ二十世紀','大原紅','ふじ'の幼果を用い,m-RNAの単離・精製法の検討を行った。一方,果実の貯蔵性に影響するエチレン生合成系遺伝子ACS-1及びACS-2について,これらの3品種のゲノムDNAからシークエンスを行い,'おさ二十世紀'と'大原紅'で多型の得られたACS-1について,これらの交雑後代(Os×Ob)でその遺伝分離を解析した。 3.ナシ果実の諸形質の調査と遺伝解析(伴野分担) 1995年より育成している'おさ二十世紀'と'大原紅'の交雑系統(Os×Ob)90系統を用い,開花・結実した57系統について果実の成熟期,果形,果重,硬度,糖度,酸含量,追熟性の諸形質を調査し,各形質の遺伝分散を解析した。その結果,果実の着色形質,果形,追熟性の形質はそれぞれ1:1で分離したのに対し,それ以外の形質は連続的な遺伝分散を示した。
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