Research Abstract |
1.属間雑種を利用したリンゴ‘ふじ'とナシ‘大原紅'の飽和連鎖地図作成と統合(伴野分担)胚培養法を用いて育成したリンゴ‘ふじ‘とナシ‘大原紅‘の対称雑種65個体を用い,60種類のSSRについて解析した。得られたデータとこれまでに解析したRAPDマーカー,アイソザイム各遺伝子,S対立遺伝子及び表現形質等を用いて連鎖地図を作成した。その結果,‘ふじ‘では,全長1231.2cM,24連鎖群,220遺伝子座,‘大原紅‘では,2027.5cM,27連鎖群,215遺伝子座からなる連鎖地図がそれぞれ作成された。また,SSR遺伝子座を中心に共優性マーカーをアンカーとして,両品種の各連鎖群との対応関係をみたところ,10連鎖群において統合され,これまでに報告されたリンゴ品種やナシ品種との対応関係も認められ,リンゴとナシでのゲノムの類似性が示唆された。 2.ナシ及びリンゴ果実で発現するESTクローンの解析(伊藤分担)‘おさ二十世紀',‘大原紅',‘ふじ'の3品種の幼果からm-RNAを単離し,cDNAライブラリーを作成して,得られたESTクローンの約200種類についてシークエンシングを行い,相同性検索を行った。その結果,リンゴやナシで報告された遺伝子は極めて少なく,モデル植物等で得られた細胞分裂,ストレスなどに関与すると考えられる遺伝子が多く認められたが,機能が,推定されない遺伝子も多かった。 3.ナシ果実の諸形質の調査と遺伝解析(伴野分担)1995年より育成している‘おさ二十世紀'と‘大原紅'の交雑系統100個体を用い,昨年と同様,果実の成熟期,加重,硬度,糖度,酸度,追熟成などの舗形質について調査した。
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