2004 Fiscal Year Annual Research Report
主要花きに含まれる糖質の花弁細胞への蓄積機構の生理・生化学的解析
Project/Area Number |
15380030
|
Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
市村 一雄 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 花き研究所・生産利用部・流通技術研究室, 室長 (20355712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚瀬 幸司 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 花き研究所・生産利用部・流通技術研究室, 研究員 (30355713)
中山 真義 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 花き研究所・生理遺伝部・品質生理研究室, 室長 (40237475)
木幡 勝則 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 野菜茶業研究所・機能解析部・茶品質化学研究室, 室長 (70355618)
山田 邦夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科園芸科学研究分野, 助手 (30345871)
|
Keywords | 糖質 / 細胞内局在性 / リンドウ / フロックス / ゲンチオビオース / 2-C-メチルエリトリトール / バラ / 開花 |
Research Abstract |
1.リンドウにおいて、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオースおよびボルネシトールを同定し、ゲンチオビオースは花弁中の最も主要な構成糖質であることを見出した。開花における糖質の役割を解析するため、糖質の細胞内局在性を調べた。その結果、ゲンチオビオースは開花花弁において液胞に蓄積していることが明らかとなったことから、ゲンチオビオースは浸透圧調節物質として花弁の細胞肥大に寄与していることが示唆された。 2.フロックスにおいて、2-C-メチルエリトリトールを同定するとともに、花弁中の最も主要な構成糖質であることを明らかにした。さらに糖質の細胞内局在性を調査した結果、2-C-メチルエリトリトールは開花した花弁では液胞に蓄積していることを明らかにした。この結果から、2-C-メチルエリトリトールは浸透圧調節物質として花弁の細胞肥大に寄与していることが示唆された。 3.バラ花弁において、シンプラストとアポプラストの浸透ポテンシャルを測定した結果から、開花にともなう浸透圧上昇には糖質の寄与が大きいことを明らかにした。 4.スイートピーにおいて見出されていた未同定物質を単離し、構造解析した結果、窒素化合物である2-シアノエチルイソキサゾリン-5-オンと同定した。その組織内濃度を定量した結果から窒素化合物として重要であることを示した。さらに、2-シアノエチルイソキサゾリン-5-オンは篩管液と道管液には存在しなかったことから、この物質はそれぞれの器官で合成されていることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)