2005 Fiscal Year Annual Research Report
植物ウイルスの媒介昆虫-宿主植物間のシャトル感染機構の解明
Project/Area Number |
15380038
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Research Institution | National Agriculture and Research Organization |
Principal Investigator |
大村 敏博 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・病害防除部, 室長 (20355499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一木 珠樹 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・病害防除部, 主任研究官 (70355501)
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Keywords | イネ萎縮ウイルス / 昆虫系統 / 昆虫媒介 / 宿主特異性 |
Research Abstract |
イネ萎縮ウイルスの媒介昆虫の培養細胞およびバキュロウイルスの遺伝子発現系で、本ウイルスの12種タンパク質の各抗体を使用し、組織免疫電子顕微鏡及び共焦点レーザー顕微鏡を用いて、ウイルスの全タンパク質の動態を解析した。感染細胞内でのウイルス及びウイルスタンパク質の動態は、イネ、ツマグロヨコバイ及びその培養細胞で同様であった。接種6時間後に非構造タンパク質Pns12で構成される球状の封入体が認められた。本封入体にやはり非構造タンパク質であるPns6及びPns11が集積した。この封入体の内部でウイルスのゲノムRNAが合成された。次に、封入体の内部において、ウイルスの内殻を構成する構造タンパク質であるP1、P3、P5およびP7が集積、ウイルス内殻粒子を形成した。その後、ウイルス粒子の外殻を構成するP2、P8およびP9が封入体の周縁に集積、アセンブリーした。上記結果より、本封入体はバイロプラズマと呼称されるウイルス合成工場であると考えられ、一連のウイルス粒子の構造構築プロセスと各段階におけるウイルス蛋白質の役割が明らかになった。 非構造タンパク質であるPns10は径約85nmのチューブルを形成した。ウイルスを接種した培養細胞にウイルスに対する中和抗体を処理すると、遊離ウイルスによる2次感染は抑止できるが、隣接細胞への2次感染を抑止できなかったこと、およびチューブル内にウイルス粒子が充満していること等から、本チューブルは隣接細胞へウイルスが安全に移行するための機能を果たしているものと考えられた。
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Research Products
(4 results)